自民党サイバー提言、暗号資産追跡・AI防御を省庁横断で推進へ

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この記事の要点

  • 自民党がAIサイバー対策の提言を正式了承
  • 暗号資産追跡・PQC移行・AI防御を省庁横断で推進

自民、暗号資産追跡含むサイバー提言了承

自民党は2026年10月22日の党政調審議会で、国家サイバーセキュリティ戦略本部(本部長:平将明衆議院議員)がまとめた「サイバーセキュリティ対策の抜本的強化に関する提言」を正式に了承しました。

提言は、AIがシステムの脆弱性を自動的に突き、防御側の処理能力を上回る規模で攻撃を仕掛ける「AIのサイバー飽和攻撃」が近い将来に現実となるとの危機感から、政府にサイバーセキュリティ対策の抜本的な見直しを求めています。

その中には、不正に取得された暗号資産の追跡強化や耐量子計算機暗号(PQC)への移行加速、分散型ID(DID)の有用性検証など、暗号資産や次世代の暗号・認証技術に関わる施策も盛り込まれました。

これらの対策を省庁横断で推進するため、官邸主導の「サイバー対処本部(仮称)」を設置し、NCO(国家サイバー統括室)やデジタル庁、経済産業省、金融庁、警察庁、防衛省などの関係機関が連携する体制を提案しています。

戦略本部は、こうした省庁横断の対策を国家の最優先課題と位置づけ、政府に対して必要な予算の確保や体制整備、法令の検討に速やかに着手するよう求めています。

暗号資産追跡・PQC移行・AI防御を各省庁に要請

FBI等と連携し不正暗号資産を追跡へ

提言は警察庁に対し、ランサムウェア・グループなど多国籍化・分業化するサイバー犯罪組織の壊滅に向けて、FBI(米連邦捜査局)やユーロポールなど各国の法執行機関との国際共同捜査に主導的に参画するよう求めています。

国際共同捜査では、犯罪者が利用するC2サーバーなどの攻撃インフラの無害化や、不正に取得された暗号資産の追跡を積極的に実行するよう要請しました。

戦略本部は、こうした捜査活動を通じて「日本を狙うサイバー攻撃は割に合わない」という強力な抑止力を発揮するよう警察庁に促しています。

犯罪組織への捜査強化と並行して、被害者保護の面では、流出した個人情報を悪用した口座開設を防ぐ本人確認の徹底や、特殊詐欺への対策強化も盛り込まれました。

量子暗号時代へ、PQC移行の加速を要請

サイバー犯罪への捜査強化に加え、提言は量子コンピュータの実用化に伴う暗号解読の脅威に備え、政府機関の暗号技術を更新する必要性も指摘しています。

提言によると、欧米主要国は影響の大きいシステムを2030〜2031年頃までに耐量子計算機暗号(PQC)へ移行するとされており、日本でもNCO(国家サイバー統括室)を中心に、優先度の高い政府システムから早期に期限を定めて移行を加速するよう求めました。

通信の安全性をさらに高めるため、総務省にはPQCと量子暗号通信(QKD)を組み合わせた二重の防護技術の導入を提案し、政府機関や重要インフラなどを結ぶ東名阪QKDネットワークの整備加速も盛り込まれています。

通信基盤の防護に続き、デジタル庁には情報漏洩に強く改ざん耐性のある認証基盤の構築に向けて、分散型ID(DID)と検証可能なクレデンシャル(VC)の有用性検証を要請しました。

AIエージェントで脆弱性診断を自動化へ

提言は、暗号・認証技術による防護に加え、AIを悪用したサイバー攻撃への対抗手段として、防御側にもAI技術を導入するよう求めています。

NCOと内閣府AI室/AISI(AIセーフティ・インスティテュート)に対しては、次世代AIモデルの悪用によってサイバー攻撃が自律化・高度化する「Mythos問題」への早期対応を要請し、AIによる脆弱性の早期発見や対処を目指す「Project YATA-Shield」の推進を盛り込みました。

この取り組みと並行して、OpenAIやGoogle、Anthropicなど米国の主要フロンティアAI事業者との直接的な連携窓口を構築し、AIエージェントによる脆弱性診断から、パッチ適用の自動化・自律化まで実現する方針を示しています。

提言は金融分野でのサイバー攻撃への備えも重視しており、経済産業省や金融庁等に対して金融業界横断のサイバー演習や金融ISACを通じた情報共有の強化、有価証券報告書でのセキュリティ関連情報の開示充実を要請しました。

能動的防御法が施行、業界対策も進展

国内では、能動的サイバー防御関連法が2026年10月1日に施行され、重要インフラ事業者による被害報告や政府による通信情報の取得・分析、警察・自衛隊による攻撃サーバーの無害化などを進める制度が動き始めています。

暗号資産分野でも対策が進められており、金融庁は同年4月に暗号資産交換業者向けのサイバーセキュリティ強化方針を公表し、事業者による自己評価や実践的な侵入テスト、業界内の情報共有を柱とする防御体制の強化を打ち出しました。

業界団体も委託先への対策を進めており、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)も10月20日にセキュリティ対策プラクティス集のドラフト版を公開し、事業者や監査法人などから意見を募って今後の改訂に反映させる方針を示しました。

国や暗号資産業界で防御体制の強化が進むなか、今回の提言はサイバー対処能力強化法に基づく外国関連通信情報の利用では不十分な場合、国内通信情報を被害防止のために利用することも検討対象に加えるよう要求しており、既存の法制度を超える措置についても政府に検討を促しています。

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Source:平将明衆議院議員公式サイト
サムネイル:AIによる生成画像

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