精神科病院で起きる不適切な拘束や虐待。それを単なる「一部の悪人による問題」と断罪して終わらせていいのだろうか。
漫画家・水谷緑さんの最新作『暴力病院 看護助手が精神科で見たもの』(竹書房)では、そんな問いが突きつけられれているように感じます。
精神疾患の患者のために頑張る医療者をみずみずしく描いてきた水谷さんが、これまでの作品では描ききれなかった「病院内での暴力」というテーマに踏み込んだ作品です。
このテーマを選んだ理由や取材、二面性のある登場人物について聞いた第1回・第2回に続き、今回は水谷さんに物語の構造について聞きました。
また、本記事では精神科に入院中の患者が、他科のクリニックで精神疾患を理由に受診拒否(※)される漫画第3話も紹介します。
問題のある病院を断罪する人々に主人公が…
本作品の物語の核心には「白黒つけない構造」があります。漫画では、問題のある精神病院を「医療者として失格」と断罪する人々に対して、主人公が疑問を呈するシーンが登場。白黒で善悪を二分しない物語の構造が描かれています。
水谷さんは「みんなそれぞれいいところも偏(かたよ)ったところもあると思います。そんな中で、自分はどうありたいか、現実を見るのか見ないのか、行動するのかしないのか、考えてもらえたらいいなと思いました」と説明しています。
【水谷緑】
神奈川県生まれ。著書にTBSでドラマ化された「まどか26歳、研修医やってます!」「被害者姫 彼女は受動的攻撃をしている」「32歳で初期乳がん 全然受け入れてません」「私だけ年を取っているみたいだ。ヤングケアラーの再生日記」などがある。
(※医師法19条1項に「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない」と規定されている)

2 時間前
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