アメリカ・カリフォルニア州で警察官が住民の飼い犬を射殺した事件をめぐり、ロサンゼルス市警は6月19日、警察官が装着していたボディカメラ映像を公開した。
この事件は6月13日、プロバスケットボールリーグNBA優勝決定戦でニューヨーク・ニックスが53年ぶりとなる優勝を決めた日に起きた。
警察官は「女性が叫んでいるので、安否確認をしてほしい」という近隣住民の通報を受けてアパートの一室に駆けつけた。この部屋の住民マリー・マルセイユさんは後に、ニックスの勝利を祝って叫んでいたと説明している。
公開されたのは2人の警察官のボディカメラの映像で、マルセイユさんが玄関のドアを開ける様子や、犬が吠える声が記録されている。
警察官に犬を遠ざけるよう指示されたマルセイユさんは、ニックスの青いユニフォームをきた2歳の愛犬ジェイムソンを室内に入れて一旦ドアを閉めている。
その間、2人の警察官は「大きい犬だな」「あんなのに噛まれたくない」と部屋の外で会話している。
マルセイユさんは再びドアを開けた時に、「この子は攻撃的ではありません」と伝えている。
その飼い主の横をジェイムソンはすり抜けて玄関から出ると、吠えながら1人の警察官の方向へと走っている。
その瞬間、警察官の1人が銃を複数回発砲してジェイムソンを射殺。マルセイユさんの悲鳴が聞こえる。
また、近隣住民が事件直後に撮影した映像には、撃たれたジェイムソンの体に覆い被さり、泣き崩れるマルセイユさんの姿が映っている。
「安全を脅かしていなかった」と訴え
マルセイユさんの家族は警察官の対応を批判しており、代理人弁護士ブレット・グリーンフィールド氏を通じて、次のような声明を地元テレビ局ABC7に送っている。
「ジェイムソンは苦情の対象ではなく、公共の安全を脅かしてもいませんでした。家族に愛されて自宅で暮らしていました。それにも関わらず、ジェイムソンは安否確認で殺され、飼い主は心に深い傷を負いました。発砲した警察官の判断と行動には重大な疑問が残ります」
家族は、発砲した警察官の近くに立っていたマルセイユさんが命を落とさなかったのは「幸運だった」とも述べている。
ロサンゼルス市警のジム・マクドネル本部長は、17日に発表した声明で、「非常に痛ましい事件であり、徹底的に調査して結果を公表する」と伝えている。
ロサンゼルスのカレン・バス市長も警察官の対応を問題視しており、「犬と遭遇した際にどのように武力行使するかについての方針を検証するよう警察署長らに指示した」と投稿している。
マルセイユさんの子どもであるジェレマイア・ガルシアさんが立ち上げたクラウドファンディングには、22日午後までに24万ドル(約3890万円)を超える寄付が集まっている。
ガルシアさんはジェイムソンについて「あの子に会ったことがある人なら誰でも、世界一優しい犬だったと言うはずです」とつづっている。

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