米大手9行に仮想通貨排除の実態、OCC「反論の余地のない証拠」と断定

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この記事の要点

  • OCC、米大手9行のデバンキングの証拠を公表
  • 仮想通貨含む6業種が銀行サービスの制限対象

米大手銀9行の金融排除を断罪

米通貨監督庁(OCC)は2026年10月14日、米大手銀行9行によるデバンキング(銀行サービスの一方的な制限・拒否)の実態を調査した報告書を公表しました。

調査の結果、2020年から2025年9月までの期間に、9行すべてが政治的・宗教的な信条や合法的な事業活動を理由に、金融サービスへのアクセスを制限し得る方針を維持していたことが明らかになっています。

こうした方針によって不利益を受ける可能性があったのは、仮想通貨(暗号資産)関連事業を含む6つの業種で、OCCは合法的な事業活動を理由とする銀行サービスの制限を問題視しています。

OCCは今回の調査で約10万件の苦情と約42万ページに及ぶ銀行内部文書を精査しており、ジョナサン・V・グールド長官はこうした結果を、米大手銀行による顧客や合法的な事業者への拒否・差別を示す「反論の余地のない証拠」だと述べています。

米9行の業種差別、評判リスク方針と調査の経緯

客観性なき「評判リスク」が顧客排除に

OCCの調査では、各行が採用していた「評判リスク(レピュテーションリスク)」に基づく判断が、顧客の金融サービス利用を制限する要因となっていたことが明らかになりました。

報告書によれば、これらの方針は適用範囲が広い一方で、明確な基準や客観的なリスク評価の指標を欠いており、顧客の政治的・宗教的・社会的な見解や合法的な事業活動が取引判断に影響していたとされています。

こうした判断は評判リスクに関する方針だけでなく、特定業種への金融サービス提供を制限する公表・非公表の銀行方針にも反映されていたといいます。

仮想通貨含む6業種が排除対象に

報告書では、石油・ガス採掘、石炭採掘・石炭火力発電、銃器・弾薬の製造・販売、収容施設の建設・運営が制限対象として挙げられています。

これらに加えて、タバコ・電子タバコの製造・販売・オンライン小売と、デジタル資産(仮想通貨)関連事業も対象に含まれていました。

OCCは、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど調査対象の大手9行で、こうした合法的な事業活動への銀行アクセスを制限する方針が設けられていたと指摘しています。

大統領令で加速した銀行監督の見直し

大手銀行による合法事業への金融サービス制限は、トランプ大統領が2025年8月7日に署名した大統領令14331号でも問題視され、連邦銀行規制当局に対して実態調査と必要な是正措置が求められました。

この指示に基づきOCCは同年9月に大手9行への調査を開始し、12月には2020年から2023年までの銀行方針や慣行を対象とする予備報告を公表しています。

OCCは調査と並行して、評判リスクを銀行検査の考慮対象から除外したほか、不適切な金融サービスの拒否・制限を銀行の認可申請審査や一部の検査で考慮する方針を明確化し、苦情の受付・審査体制も改善したと説明しています。

OCC長官「是正は不十分」さらなる改革へ

仮想通貨関連事業への銀行サービス制限を巡っては、米下院金融サービス委員会の共和党スタッフも2025年12月、報告書「オペレーション・チョークポイント2.0」を公表し、当時の規制当局による曖昧な規則や非公式な指導などの影響で、少なくとも30のデジタル資産関連事業者や個人が金融サービスへのアクセスを失ったと指摘しました。

米国では銀行監督における評判リスクの見直しも進められており、米連邦準備制度理事会(FRB)は2025年6月に評判リスクを銀行検査の評価項目から除外すると発表し、OCCと連邦預金保険公社(FDIC)も2026年4月、監督当局による評判リスクの利用を禁止する最終規則を公表しています。

同年6月には3当局が共同の監督文書から評判リスクへの言及を削除し、銀行監督上の見直しを進める一方、FRBは銀行自身のリスク管理において評判リスクを引き続き考慮できるとの見解を示しました。

グールドOCC長官は、大手銀行による一定の是正措置を認めつつも、その効果が十分とは確信していないと述べており、仮想通貨関連事業を含む合法的な事業活動への不当な銀行サービス制限を防ぐため、規制・監督体制のさらなる変更を検討する方針を示しています。

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Source:OCC発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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