ニューヨーク(CNN) 米国株式市場で12日、「米国売り」が収まり、11日の下落分を取り戻し、値上がりして取引を終了した。トランプ米政権が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対する刑事捜査を開始したことを受け、投資家らは「米国売り」を再開し、11日夜には米国株先物、債券、そしてドルの売却に動いていた。
12日のダウ工業株平均は86ポイント(0.17%)上昇。S&P500指数も0.16%上昇し、いずれも過去最高値で取引を終えた。ハイテク株中心のナスダック総合指数は0.26%上昇した。
株価は反発したものの、米ドルは依然として圧力を受け、主要通貨に対し下落した。
米国債もやや下落した。価格と逆方向に動く10年国債利回りは4.19%に上昇し、1カ月ぶりの高値に近づいた。債券利回りの上昇は、トランプ政権によるFRBへの措置が裏目に出る可能性を示唆しており、トランプ氏の要求通りに金利が引き下がらない可能性もある。
株価、債券価格、ドルの同時下落は異例であることから、オーバーナイト市場の当初の動きはウォール街の注目を集めた。株式市場は12日午後までにおおむね安定したものの、投資家は今後数日間の動きを注視している。一方、金などの安全資産は急騰した。
金先物は2.5%上昇し、1トロイオンスあたり4600ドルを超える過去最高値を記録した。銀は金の値上がりを上回り、7.3%上昇した。
株式市場の投資家は今のところ、パウエル氏に対する司法省の捜査を軽視している。キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏によると、投資家はFRBの独立性を損なおうとする動きは失敗に終わると考えている可能性がある。
しかし、金・銀の急騰とドルおよび米国債への圧力は、ウォール街が米国市場のボラティリティー(変動幅)に備え始めている兆候だ。
決済サービスを提供するコーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏はメモの中で、「FRBの独立性に対する信頼の低下が長引けば、米ドルが下落し、長期金利が上昇し、世界市場のボラティリティーが増す可能性がある。これは政権が掲げている目標とは相いれない結果だ」と指摘した。
投資銀行エバーコアISIの副会長、クリシュナ・グハ氏は12日のメモで、「(米国売り)トレードは勢いを増し、いずれにせよ続いていく。FRBの独立性に関するリスクは2026年を通して重要なテーマとなるだろう」と述べた。
一方でグハ氏は「市場が本格的な暴動を起こさない可能性があることも認識している」とも述べている。「投資家はトランプ氏によるFRBへの圧力に耐えてきた。パウエル氏のFRB議長としての任期は残りわずか4カ月で、ただちに解任される恐れはなく、パウエル氏もこれまで通り続投を約束している」

3 ヶ月前
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