米スペースX、「スターリンク」の接続無料に ネット遮断が続くイランで

3 ヶ月前 10

(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏の宇宙企業スペースXが提供する衛星通信サービス「スターリンク」が、イランで無料で利用できるようになった。イランのスターリンク利用者と連絡を取っている技術専門家が明らかにした。イランでは反体制デモへの弾圧が続いている。

技術系の非営利団体「ホリスティック・レジリエンス」のアフマド・アフマディアン事務局長によると、これまで休止状態だったイラン国内のスターリンクのアカウントが13日から接続可能になり、利用料金も免除されたという。

イラン情勢をめぐっては、トランプ米大統領とマスク氏が今週に入り、電話会談で、イランでのスターリンクの利用について協議していた。スペースXとホワイトハウスはいずれもコメント要請に応じていない。

イラン政府はここ数日、国内のインターネット接続を遮断し、反政府デモの参加者1800人以上を殺害したとされる。観測筋によれば、今回のネット遮断はイラン政権によるものとしては史上最大規模。人権団体によれば、ネット遮断のため死者数の把握は難しく、実際の犠牲者はさらに多い可能性がある。

スターリンクへの無料接続は活動家にとって歓迎すべき動きだが、9200万人の人口のうち、実際に接続できるのは一部にとどまる見通しだ。専門家によれば、当局はスターリンクの電波を妨害する能力も持っている。

「情報を外に出す唯一の手段」

情報遮断の規模が大きいため、スターリンクがデモ参加者の殺害に関する情報を世界に発信するための「唯一の手段」になっているとアフマディアン氏は語る。スターリンクは数千基の低軌道衛星が地上の機器と通信しており、閉鎖された社会やウクライナのような紛争地域において、米国のソフトパワーの重要な武器となっている。

トランプ氏は、イランの抗議者に対し抵抗を続けるよう呼びかけているほか、軍事行動を含むあらゆる選択肢でデモ参加者を支援する用意があると主張している。

ネットワーク監視企業ケンティックのダグ・マドリー氏は、イランの支配層が「承認されたトラフィック以外をすべて遮断する独自の『グレート・ファイアウォール』を構築した」と指摘する。イランをインターネットに接続している企業は2社しかなく、政権にとって遮断は比較的容易だという。

専門家によれば、イラン政府は長年にわたり国民を監視し、その技術をシリアなど他国にも輸出してきた。現在も当局は、スターリンクの電波を妨害、あるいは劣化させる手段を用いているとされる。アフマディアン氏によれば、その一部はロシアがウクライナ前線で行ってきたものと同様の「軍事レベル」の妨害だという。

政権による障壁を回避するため、デジタル権利活動家はスターリンクへのアクセス拡大を訴えてきた。スターリンクはイランで正式な運用許可を得ていないが、マスク氏は以前、同国で利用可能だと述べていた。イラン当局は昨年、イスラエルとイランの12日間の戦争後、スターリンクの使用を犯罪とした。

アフマディアン氏によれば、処刑される危険があるにもかかわらず、イスラエルとの戦争後、イラン国内ではスターリンク端末の需要が「急増」した。

記事全体を読む