米ICE執行官がまた移民男性を射殺 25歳の父親、善良な働き者の若者がなぜ

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(CNN) 米メーン州の現場には、花やろうそくが手向けられている。妻はその場にくずおれ、3歳の娘は泣き続けた。ホアン・セバスティアン・デュラン・ゲレロさん(25)は13日、ここで移民税関捜査局(ICE)の執行官によって射殺された。

コロンビア出身のデュラン・ゲレロさんは同州ビデフォードでフードデリバリーの配達員をしていた。近隣住民は、善良な働き者だったと振り返る。

「移民がビデフォードを素晴らしい町にしている」。現場にはそんな追悼の言葉も供えられた。

この数日前にはテキサス州でも、メキシコからの移民の男性が出勤途中にICEの執行官によって射殺されていた。関係者によれば、相次ぐ事態を受けてICEは方針を転換し、追って通知があるまで車両を停止させる措置を見合わせるよう執行官に指示した。

メーン州の事件については約12時間後に国土安全保障省が声明を発表し、デュラン・ゲレロさんが「現場から逃走しようとした」ため、ICE執行官が「公共の安全を懸念して」発砲したと主張した。デュラン・ゲレロさんはICEが摘発しようとした人物ではなかった。

近隣住民の間では、デュラン・ゲレロさんは公共の安全を脅かすどころか、妻と娘を大切にする物静かで控えめな若者という評判だった。

近所に住むネルソン・エリアスさんは言う。「残された家族のために、ただ公正を求める。妻があそこに座り込んで泣き叫ぶ姿を見るのはつらすぎる」

「ピンク色の小さなリュックを背負った女の子が泣いているのを見た。あの子はもう二度と父親に会えない」。現場の交差点近くに住むメアリー・ヘイズさんはAP通信にそう語った。

デュラン・ゲレロさんのパートナーのカロリーナ・ロハスさんは13日、SNSに追悼の写真を投稿し、自身の痛みは言葉では言い表せないとスペイン語で記した。答えの出ない疑問があまりに多く、「心が張り裂ける」とロハスさんは訴えている。

「愛する人、私に力を。お願い。どんな時も、ずっとそばにいて。お願いだから、私たちを置いていかないで」。2人で写った写真には、そんな言葉を添えていた。

移民の権利擁護を訴えるメーン州の支援団体によると、デュラン・ゲレロさんは米国の就労許可を得て、社会保障番号も取得していた。

近隣住民によると、事件当日の13日は午前7時ごろ、自宅を出て仕事に向かった。AP通信が入手した防犯カメラの映像は、デュラン・ゲレロさんが乗っていたと思われる車が停止させられる場面をとらえている。執行官らは停止した車から運転手を引きずり出し、地面に組み伏せていた。

執行官らはボディーカメラを装着していなかったため、現場の状況を直接とらえた映像は存在しない。

デュラン・ゲレロさんはコロンビア北中部ブカラマンガの出身で、父親が現地のラジオ局に語ったところによると、家族により良い生活をさせるため、米国に移住した。

コロンビア政府は在米大使館を通じて米国土安全保障省に対し、デュラン・ゲレロさんが死亡した経緯に関して直ちに徹底捜査と説明を行うよう要求した。コロンビアの親族は、遺体を帰国させる手続きを開始した。

国土安全保障省は、執行官がデュラン・ゲレロさんを危険人物と見なした理由を明らかにしていない。

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は14日、今回の事件を「殺人」と形容し、「殺人犯には人殺しの代償を払わせろ」と訴えた。

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