(CNN) 米海軍の航空母艦ほどの大型艦船で士気を高く保つことには、より小型の軍艦では直面しないような問題が伴う。経験豊富な海軍士官らはそう語る。それは戦闘時であっても変わらないという。
今週、空母エイブラハム・リンカーンの乗組員に関して、メンタルヘルス上の懸念が生じているとの報道が浮上した。同艦はイランに対する作戦に従事。乗組員は200日を超える無寄港の生活に耐えていた。
当局者によると今月初め、リンカーンから海中に転落した水兵が救助された。水兵にけがはなく、ある当局者によれば、海軍はこの出来事をメンタルヘルス上の問題によるものとみなしている。
5000人以上が乗艦するなか、彼ら全員を一つにまとめ、一つのチームとして集中させ続けることは至難の業だと、元オーストラリア海軍士官でローウィー研究所の非常勤フェロー、ジェニファー・パーカー氏は述べた。
パーカー氏は、乗組員約200人のオーストラリア軍の駆逐艦に乗艦した経験があり、その規模であれば艦長と副艦長が乗組員全員を個人的に知ることができたという。
しかし、水兵の規模が5000人に膨れ上がれば、上級士官が彼らとそのような関係を築くことは不可能になると、パーカー氏は指摘。リーダーシップを発揮するという点で空母という環境は格段に困難であり、戦時下であればその難しさに拍車がかかると説く。
1970年代後半から80年代にかけて、リンカーンの姉妹艦ニミッツで3回の乗艦経験を持つ元米海軍大佐カール・シュスター氏は、艦上生活は孤立感をもたらすことがあり、特に10万トン級空母の奥深くで働く下士官・兵にとってはそうだと述べた。
「私は士官だったので、仕事は肉体的というより精神的なものが中心だった。1日に何度も艦橋ウイングや飛行甲板に出ていた」とシュスター氏はCNNに語った。
「一方、機関区画や戦闘システム部門にいる下士官・兵たちは太陽を見ることもなく、一日の大半を肉体的にも精神的にもストレスのかかる作業に費やす。それは私自身が経験したことのない形で彼らに影響を及ぼす」(シュスター氏)
シュスター氏によると、戦時下でなくても、メンタルヘルスは懸念事項だという。
ニミッツでの3回の任務では、毎回少なくとも2人の乗組員が自殺を図ったと、シュスター氏は振り返った。このうち2回の任務では少なくとも80日間連続で海上にいたという。
「誰にでも限界点がある。それは自分や他の誰かの身に実際に起こるまで分からない」(シュスター氏)
13日、ヘグセス国防長官は水兵への支援を巡る海軍の実績を擁護。「我々はすべての艦、すべての乗組員、すべての艦長に対して、提供できるものすべてをいかなる時にも確実に提供している」と強調した。

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