白黒の円盤を回すだけで赤や緑が見える――200年の謎に新たな手がかりを発見

1 ヶ月前 17

白と黒しかないのに、色が浮かぶ不思議な円盤

白と黒だけで塗られた、模様つきの円盤があります。塗料は二色きり。赤も青も、どこにも使われていません。

ところが、これをコマのようにくるくると回してみると、不思議なことが起こります。

白と黒しかなかったはずの円盤の上に、うっすらと赤や青や緑が、ふわりと浮かび上がって見えるのです。

回すのをやめて円盤を止めると、色はすっと消え、また元の白黒に戻ります。

はじめて見た人は、たいてい目をこすります。そんなはずはない、と。なにしろ円盤には、色のインクが一滴も使われていないのですから。

それなのに、色が見える。しかも気のせいでは片づけられないくらい、はっきりと見えるのです。

この不思議な色には「主観色」と名前がついています。

目に本当に届いている色ではなく、私たちの視覚が自分で勝手に作り出している色、という意味です。

いってみれば、脳が見せてくる”幽霊の色”のようなものです。

しかもその色の出方には、几帳面なクセがあります。

一つ目は、場所によって色が変わること。内側と外側の弧とでは色が違います。

二つ目は、回す向きで色が入れ替わること。

三つ目、白地に黒ではなく、黒地に白にすると、色の位置がひっくり返ります。

そして、色をきれいに見るには、回す速さにもコツがあります。

ただやみくもに速く回せばいいわけではありません。

だいたい毎秒5回から10回転あたりの速すぎず遅すぎない、ちょうどいいリズムのときに、色がもっともはっきり立ちのぼるのです。

そして、この幽霊がやっかいなのは、200年ちかくも正体が捕まっていないことです。

「なぜ白黒から色が生まれるのか」この問いは、ベンハムのコマとして有名になるより前から、多くの研究者を悩ませつづけてきました。

原因が目の網膜だけで説明できるのか、それとも脳の高次の視覚野も関わるのか、明確な答えは出ていませんでした。

そこで今回、研究者たちは、あるユニークな手段をとってみました。

このコマを、AIに見せてみたのです。

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