プラスチックは「壊れないこと」が長所であり、最大の欠点でもある
プラスチックは「壊れないこと」が長所であり、最大の欠点でもある / Credit: Kazmi et al., Macromolecules, 2026レジ袋、食品の包装、シャンプーのボトル。
私たちの身の回りにあふれるプラスチックは、とにかく丈夫で、水にも薬品にも強く、放っておいても壊れません。
ところが、この頼もしさこそが、環境中に流出したプラスチックを何十年も分解されないまま残し続ける原因にもなっています。
使っているあいだの長所が、捨てる段階になったとたん、そっくりそのまま最大の欠点に裏返ってしまうのです。
もちろん、リサイクルしやすいプラスチックを作ろうという研究は世界中で進められています。
なかでも有望とされるのが、プラスチックをいったん構成部品であるモノマー(単量体)にまでバラバラに分解し、その部品から再び組み立て直すという方法です。
部品まで戻せば新品同様の品質で作り直せるため、理想的なリサイクルと言われています。
ところが現実には、部品に分解するだけでも150〜200℃という高温が必要になる場合が多く、しかも回収した部品をプラスチックに戻すには、さらに別の化学処理が待ち構えています。
理想とは裏腹に、手間とエネルギーを大量に食う道のりなのです。
そこでサリー大学の研究チームが目をつけたのが、硫黄原子2つを含む小さなリング状の分子(1,2-ジチオラン)でした。
硫黄同士の結合には「切れやすく、つながり直しやすい」という、炭素の鎖でできた普通のプラスチックにはない身軽さがあります。
この身軽さをうまく使えば、行きも帰りも簡単な——組み立ても分解もラクな素材が作れるのではないか。
チームはそう考え、このリング状分子だけをつなげたプラスチックの合成に挑みました。
その結果は、チーム自身の予想さえ裏切るものでした。






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