サイソンブン県(CNN) 空腹と衰弱に苦しみ、暗闇の中で身を寄せ合って寒さをしのいだ11日間。押し寄せた水に出口をふさがれても、決して希望を捨てなかった。
ようやく水が引き始めたことに気付くと、自力脱出を試みる気力が戻ってきた。5月30日、洞窟の入り口に現れた4人の姿に、救助隊や集まった人たちは息をのんだ。
ラオス中部のサイソンブン県で、水没した洞窟の奥に閉じ込められていた男性4人が自力で脱出した。その前日には1人が救助されていた。現場では今も、残る2人の捜索が続けられている。
自力脱出した男性の1人は、CNNの単独インタビューに応じ、自分たちの勇気は恐怖から生まれたと振り返った。
4人が閉じ込められていた空洞から洞窟の入り口までの距離は260メートル。78階建てのビルの高さに相当する。狭く入り組んだトンネルは、ウェットスーツが必要なほど冷たい水に浸かっている場所もあれば、狭くて酸素が少ない場所もある。
金を探しに洞窟に入った一行5人のうち1人は29日、洞窟ダイバーの国際救助チームによって無事救出され、残る4人は安全が確認されるまで待機していた。
「自分たちだけだったので不安だった」。病院でCNNの取材に応じたミー・シンファマライさん(23)はそう振り返った。「我々はもう長いことあそこにいた。水は引いていた。中はあまりに寒かったので、自分たちで這(は)い出そうと決めた」
洞窟の中には深さ少なくとも1メートルの水がたまった部分もあった。
「水に潜ったり、腹ばいになったりしなければならない所もあった。ゆっくり這って進んだ。通路は人ひとりほどの大きさしかなかった」
5月20日に洞窟に入った一行は、大雨で洞窟の入り口が水没して中に閉じ込められた。捜索隊が5人を発見したのは1週間後の27日だった。
それまでの間は水だけでしのぎ、助けが来ることを祈り続けた。毛布はなく、できる限り睡眠を取ろうと抱き合って眠った。空腹から気をそらすため、家族との再会を思い描き続けた。
「自分は生き延びられるとずっと信じていた。きっと戻って母や姉妹と再会すると」「外へ足を踏み出し、自分たちのために歓声を上げる人たちを見た時は、生まれ変わったような気持ちだった。胸がいっぱいだった」とミーさんは話す。
Facebook/Zom Tanaphun Phithukkul, Obtained by CNN
サイソンブン県ロンチェン近郊にあるこの洞窟にミーさんが入ったのは、今回が初めてだった。以前、別の場所で金を見つけた経験があったことから、今回も運試しのつもりだった。
「自分たちは村の住民で、生計のために山へ分け入っている。金があると聞いたので探しに行った。そこで洞窟が水没して出られなくなった」
そう語るミーさんは、自分を助けてくれた全員に感謝したいと言い、また洞窟に入るかと尋ねられると「死んでも行かない」と言い切った。
一緒に脱出したラムさんは、「まるで2度目の生きるチャンスを与えられたよう」と振り返り、「貧困は恐ろしい。だから生き延びて進み続けるため、こんなに頑張っている」とSNSに書き込んでいる。
洞窟から脱出したミーさんが最初に口にしたのはおかゆだった。今も病院で療養中で、まだ柔らかいものしか食べられずにいる。
仲間2人はけがをして痛みや炎症に苦しんでいるが、容体は快方に向かっているという。
一方、この5人よりも前に洞窟に入ったと思われる2人は依然として行方が分かっておらず、現場では今も捜索救助活動が続けられている。
ミーさんの一行とは出会わなかったといい、2人は別の部分から洞窟に入ったと思われる。

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