欧州経済に異常気象と戦争の二重苦、今年の成長分ほぼ吹き飛ぶ恐れも

3 週間前 14

ロンドン(CNN) 急上昇する気温が欧州の経済に一段の打撃を与えている。ただでさえ米国の関税や中国との競争、そしてイラン戦争によるエネルギー価格の上昇に圧迫される中、相次ぐ熱波が追い打ちをかけた形だ。

ルーマニアの国有原子力発電会社ヌクレアレクトリカは13日、唯一稼働中の原子炉を送電網から切り離し始めた。設備の冷却に不可欠なドナウ川の水位が記録的な低さとなったことが理由だ。同社がCNNに確認した。同国は8月いっぱいエネルギー非常事態を宣言。企業と家庭に自主的な消費削減を求めた。ロイター通信が報じた。

他方、フランスとハンガリーでは河川の水位低下と高温のため原子力発電を抑制せざるを得なくなっている。干ばつも壊滅的で、多発する山火事の結果、作物の収量が減少。食品価格を押し上げる恐れがある。

オランダに拠点を置くトリオドス銀行の推計によると、欧州のうだるような夏は今年、域内に1800億ユーロ(約33兆円)の経済損失をもたらす恐れがある。これは域内総生産(GDP)の1%つまり欧州連合(EU)の予想経済成長分のほぼ全てに相当する。同行は今月の報告書で「労働生産性の低下が農業やエネルギー、輸送の混乱と並んで最大の経済的影響を及ぼす可能性が高い」と述べた。

欧州の広い範囲では先週、今年5回目の熱波が猛威を振るった。英国、フランス、スペイン、イタリアの一部には猛暑警報が出た。EUの気候監視機関コペルニクスによると、今回の猛暑は西欧が観測史上最も暑い6月と7月を記録した後に到来した。パリでは極端な暑さを受けてエッフェル塔とルーブル美術館が数日、閉館時間の前倒しを余儀なくされた。

一部のアナリストは7月の企業景況感の改善と上半期のGDP増加を指摘。暑さが今年の経済成長に大きな影響を与えることに疑問を呈しているが、暑い天候だけが経済の脅威となるわけではない。

天然ガス価格が上昇する中、欧州の人々は今冬、エネルギー料金が値上がりする可能性にも直面している。指標となる天然ガス先物の価格は先週、イラン戦争開始以来の最高水準付近で取引され、前年同期のほぼ2倍となった。

中東での戦争により貨物が不足し、その結果価格も上昇。再びエネルギー危機に陥る可能性が高まっている。猛烈な暑さによって空調需要も増え、冬を前に貯蔵を補充する必要がある時期に天然ガス消費を押し上げている。

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