生搾りオレンジジュース自販機「IJOOZ(アイジュース)」の運営会社は8月21日、東海・九州・広島エリアでのサービスを9月30日までに順次終了すると発表した。
これを受けて、SNSでは「安くておいしいから、また復活してほしい」「近所のIJOOZも終了するみたい。子どもにも安心して飲ませられる無添加ジュースだったから、悲しい」などと惜しむ声も上がっている。
IJOOZとは? 350円の生搾りジュース
IJOOZは、2016年にシンガポールで創業。同国では約1400台(2026年5月時点。以下同)が稼働しており、世界30カ国以上で展開している。
日本には、2023年4月に上陸。「オレンジ丸々4個を生搾り」「農薬・水・砂糖・添加物は一切不使用」「280mlで350円のお手頃価格」(一部では300円で販売)といったことが注目され、マーケティング専門紙「日経MJ」が発表した同年の「ヒット商品番付」でノミネートされた。
運営会社の「IJOOZ株式会社」は、当初から「1日平均30カップ程度を見込めるロケーション」「場所の提供と電気代を負担」という条件で設置場所を積極的に募集。その結果、関東・関西・中部・中国・九州など20以上の都府県に広まり、1500台以上が設置された。
しかし、前述のとおり同社は今月、サービスエリアの縮小を発表。その理由や経営状況については明かされていない。
5月22日付のプレスリリースには「今後関東、関西、東海、九州、中国エリアを中心に、さらに生搾りオレンジジュース自動販売機の展開を加速していく考えです」と記されていただけに、急な方針転換にSNSでは驚きの声も上がっている。
なお、同社は利用者に対し、IJOOZアプリにチャージしている残高やクーポン、オレンジジュースチケットなどがある場合は「サービス終了日までにご利用ください」と呼びかけている。加えて、サービス終了後の未使用残高やチケットについては「返金・払い戻し等の対応はいたしかねます」としている。
ライバル「Feed ME Orange」の強み
今回のIJOOZの発表を機に、競合自販機「Feed ME Orange(フィード・ミー・オレンジ)」との違いも注目されている。
Feed ME Orangeは、本社をイギリスに置く「ME Group International plc」の日本法人として1963年に設立された「ME Group Japan」が運営。同社は自動証明写真機を日本に初めて導入したパイオニアで、生搾りオレンジジュース自販機の展開は2021年7月にスタートした。
Feed ME Orangeの価格は、1カップ200g入りで税込500円〜600円ほど(場所によって異なる)。2024年以降は、まるごと搾りアップルジュースが楽しめる自販機「Feed ME Apple(フィード・ミー・アップル)」の展開も本格化している。
現在、正確な設置台数は公表されていないが、2026年2月に掲載された「@DIME」のME Group Japan担当者へのインタビュー記事によると、当時の設置台数は約400台で、「急速にエリアを拡大中」と伝えられていた。
実際、同社の公式SNSを見ると、新規の設置情報がたびたび投稿されている。最近は特にFeed ME Appleの新設情報が目立つが、Feed ME Orangeも7月以降、北海道にある道の駅「サーモンパーク千歳」や支笏湖の「北のうまいもん店 碧水」に新設されたという。
ME Group Japanの強みとして、証明写真機の維持・管理で培ったノウハウを、オレンジジュース自販機の運営にも直接いかしている点が挙げられる。前述の「@DIME」の記事によると、設置機のメンテナンス網やルートマンが既に存在していたため、展開や管理がスムーズに行えたという。
加えて、商業施設やスーパーマーケットなどの地権者と長年付き合いがあるため、設置場所の開拓にも役立っている。
IJOOZは「絞る様子が見えない」という弱みも
値段や運営の特性など、さまざまな違いがあるIJOOZとFeed ME Orange。筆者が実際に両方を利用し、個人的に気になった点がある。それは、視覚的なエンタメ性の差だ。
Feed ME Orangeは、注文後にオレンジが絞り機に向かってコロコロと勢いよく転がり、絞られていく工程がよく見えるのに対し、筆者が利用したIJOOZはその様子がほぼ見えない構造となっていた。
IJOOZを利用した際、筆者が連れていた子どもが「中が見えない」とがっかりしていたことからも、エンタメ性ではFeed ME Orangeに軍配が上がると感じた。
SNSで心配の声が相次ぎ、ファンも多いIJOOZ。今後が注目される。

4 日前
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