図書館でミシンが使えます。フィンランドで図書館がサステナビリティと民主主義を支える場所になっている

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バッグを手作りしたい?それなら図書館に行ったら――。こんな会話が成り立つ場所がある。北欧のフィンランドだ。

首都の国会議事堂の前にあるヘルシンキ中央図書館「Oodi(オーディ)」にはミシンが置かれていて、誰もが無料で使用できる。

服に穴が開いた、バッグのファスナーが壊れたなど、日常生活でミシンが必要になる場面が時として生まれる。しかし、毎日使うものではないミシンは自宅にはないという人も少なくない

そんな時に、図書館でミシンが使えると便利だ。また、ミシンにアクセスできることで服や物を捨てずに長く使え、サステナブルなライフスタイルを維持できる。

ミシンだけじゃない

Oodiにあるのはミシンだけではない。2階では、ミシンの他に3Dプリンターなどの機器を利用でき、ゲームルームも予約できる。

また、レコーディングや動画・写真撮影などができるスタジオや、グループで使えるキッチンなどもあり、年齢・職業・経済状況に関わらず、誰もに開かれたDIYカルチャースペースになっている。

Oodiは3階建てで、1階にはイベントスペースや映画を上映できるホール、カフェやレストランなどがある。定期的にイベントが開催されていて、さまざまな文化をつなげるコミュニティ作りの役割も担っている。

本の天国」の愛称で呼ばれるガラス張りの3階は読書スペースがメインで、約10万点の本や新聞、雑誌、映画などを閲覧できる。

Oodiは2018年にオープンし、2019年にはパブリック・ライブラリー・オブ・ザ・イヤーに選ばれている

なぜミシンや3Dプリンターを置くのか

Oodiにはミシンとオーバーロックミシンがそれぞれ2台ある。ミシンはOodi以外のヘルシンキやフィンランドの複数の図書館でも利用できるという。

なぜ図書館にミシンを置くのだろうか。

フィンランドで、公立図書館は「公共図書館法(Finnish Public Libraries Act)」に基づいて運営されている。

この法律は図書館の目的に、「リテラシー(読み書き能力)向上、生涯学習や能力開発の機会、情報入手、教育・文化への平等なアクセス、積極的な市民参加、民主主義、表現の自由などの促進」を定めている

Oodiの図書館サービス責任者であるサッラ・タミさんは、ミシンを置く理由について「Oodi(やその他のヘルシンキの図書館では)ミシンは積極的な市民参加や生涯学習を促進するものだと考えています。また、自分で所有しなくてもミシンを利用できるため、よりサステナブルなライフスタイルにも役立っています」とハフポスト日本版のメール取材に答えた。

公共図書館法が定める使命をどう実現し、地域のニーズに応えるかについては、それぞれの図書館に大きな裁量が認められているという。

「各図書館は新しいサービスを導入する時、公共図書館法で定められた目的の達成にどう貢献するかを十分に検討します」とタミさんは説明する。

Oodiが提供する様々なサービスの中で最も利用が多いのは図書資料の貸し出しと館内スペースの利用で、アーバンワークショップでは、ミシンと大判プリンターが特に人気だという。

アーバンワークショップの機器は無料で利用できるが、一部の機器を利用する際には、材料費を支払う必要がある。

図書館は民主主義に欠かせない

フィンランド公共図書館法の特徴の一つが、目的の1つに「民主主義の推進」を掲げていることだ。

タミさんは、「公立図書館は民主主義の促進において重要な役割を果たしている」と述べる。

社会的な地位や貧富の差に関係なく、図書館では誰もが対等な立場で、過ごすことができる。

「無料の公共空間や情報へのアクセス、イベントなどのさまざまな機会が全員に開かれています。すべての利用者が平等に扱われ、歓迎され、平等にサービスを利用できます」とタミさんは強調する。

また、市民同士の対話や社会参加の場として機能しているほか、多くの図書館が選挙の期日前投票所として利用されており、民主主義への参加を支える存在になっているという。

フィンランドの民主主義に欠かせない場所である図書館だが、日本を含めた世界各地では、予算削減や利用者の減少、閉館などの問題に直面している。

情報を得られるだけではなく、創造力を刺激し、サステナビリティを促進し、コミュニティを作り、民主主義を強化しているフィンランドの図書館の運営の仕方から、学べることがたくさんありそうだ。

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