(CNN) イランが突きつけた要求の一覧は、ホワイトハウスにとって驚きではなかったはずだ。
同国の強硬派は連日のように同じ主張を繰り返し唱えてきた。ホルムズ海峡を巡りオマーンとの間で進む限定的な合意はこの重要な航路の再開を念頭に置くが、それは米国政府が望む通りの再開を意味するものではない。
米国の希望を反映する再開を実現するには、「米国が自らの行動を正さなければならない」というのがイラン側の説明だ。
イラン政府はここへ来て、その意味するところを具体的に提示した。一連の条件は米・イランが6月に合意した覚書の範囲を超えるとみられる。覚書はその後、米国によるイランへの攻撃や中東全域でのイランの報復、そして船舶への攻撃の再燃を受けて停止された。
8日、イスラム革命防衛隊(IRGC)で非常に大きな影響力を持つイラン国家安全保障最高評議会のゾルガドル事務局長は、最大限の要求を次々と並べ立てた。
イランが突きつけるこれらの要求は、自らを優位な立場にあると捉える同国政府の認識を裏付ける。CNNは先ごろ、米国の弾薬が減少していると報道。トランプ米大統領は怒りを込めてこれを否定したが、同氏の側近の軍トップが紛争からの「出口」を探っているとの見方も報じられている。
またイラン側は、トランプ氏がこれまで何度も大規模攻撃をちらつかせながら、一向にその脅しを実行に移していないことにも気付いているとみられる。
ゾルガドル氏は米国に対し、海上封鎖を解除し、イラン周辺から軍を撤退させるよう要求した。
さらに同氏は、今年および昨年6月の軍事衝突によりイランが被った損害について、米国は賠償義務を負うとも述べた。昨年6月の攻撃は主としてイスラエルが遂行したものだ。加えて米国は制裁を解除し、海外で凍結されているイランの資産を無条件で解放しなければならないとした。
ゾルガドル氏の声明が示唆するところによれば、これらの条件はホルムズ海峡を巡る譲歩よりも先、あるいは譲歩と同時に満たされなければならない。そうした内容は覚書で示された枠組みと食い違うことになる。
覚書では、制裁の全面解除はイランの核開発計画を巡る最終合意が成立した時点で行うとしており、資産についても段階的な解放を想定。両者が「今後これらの資金の解放に関する手続きについて相互に合意する」ものとしていた。
ただ、イラン側の新たな戦略とみられるこうした動きにも、リスクがないわけではない。
北大西洋条約機構(NATO)の元欧州連合軍最高司令官ジェームズ・スタブリディス氏によれば、新たな要求は「トランプ政権の選択肢を狭める」ものだ。
「イランは自らの立場を過信しており、強硬派が主導権を握っているように見える。当面の合意成立の可能性は低下している」。スタブリディス氏は9日、X(旧ツイッター)にそう投稿した。

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