(CNN) あなたは機嫌が悪かったり、ストレスを感じたりしていないだろうか。あるいは、仕事や学校、人間関係で責任を十分に果たせていなかったりするだろうか。その理由は、オンラインで過ごす時間にあるかもしれない。科学誌「プロスワン」に29日付で発表された研究は、そう示唆している。
ドイツの成人900人を対象としたこの研究によると、インターネットを問題ある形で利用する人は、ストレスが強く、機嫌が悪く、生活のほかの部分をおろそかにしている可能性が高い。「問題ある形で」というのは、アプリを過剰に使用することで極度の疲労や心身に支障をきたしている状態を指す。
「ストレスや否定的な気分は、インターネットを使いたいという誘惑を高める」と、研究の筆頭著者アンドレアス・エルカー氏は述べた。インターネットを問題ある形で利用すると、状況はさらに悪化する可能性があるという。エルカー氏は独デュイスブルク・エッセン大学の博士課程に在籍している。
同大学の博士研究員で研究の共著者ジルケ・ミュラー氏は、今回の研究について、成人だけを追跡したため子どもにも同じことが起きるかどうかは分からないとしている。
何によって幸せになるかは分かっている
研究結果は理にかなっている。画面を見る時間が長すぎると、さまざまな理由から幸福感を失うことは知られているからだ。
画面をスクロールしている間は多くの場合、体を動かさない。体を動かすことは、健康と幸福に不可欠だ。至近距離で長時間画面を見続けるのは刺激が非常に強く、疲労を感じる可能性がある。画面上では、SNSをスクロールしながら複数のメッセージやメールに返信するなど、さまざまな作業をこなしていることが多く、これも疲労の原因になる。
人は対面で接するときより、オンライン上のほうが配慮を欠きやすいことも分かっている。また、オンラインでは行動に責任を負わずに済むため、やり取りがストレスを生む場合がある。他人がSNSに投稿する、選び抜かれ加工された画像と自分の生活を比べ、自分が劣っているように感じてしまうことも多い。
さらに、健康と幸福に欠かせない友情は、オンラインよりも対面の方が育みやすい傾向にある。
何がきっかけになっているのか
今回の結果は、問題のあるインターネット利用が、摂食障害や依存症、強迫性障害に似ていることを示唆している。ニュージャージー州プリンストンを拠点とする公認臨床心理士のパリン・カムダー氏はメールでそう述べた。
この問題への対処が難しいのは、「こうした衝動が意識に上らない習慣的なレベルで働くことが多い」ためだ。何が起きているか自覚する前に、すでにインターネットをスクロールしているかもしれない。
自分の行動のきっかけを認識しようとすることが役立つとカムダー氏はいう。上司やパートナーとのやりとりでストレスがたまると画面に向かっていないだろうか。疲れ切ったときや、打ちのめされたときはどうだろう。
「衝動に駆られていることを確実に認識できれば、はるかにうまくその誘惑に立ち向かえるようになる」(カムダー氏)
誘惑を感じたら、試してみるべきこと
カムダー氏は、オンラインに向かいたいという誘惑を感じたら、5分間待ってみてほしいと話す。その間に運動したり、音楽を聴いたり、リラックスしたりしてみる。その後は誘惑を感じるたびに待ち時間を5分ずつ延ばすという。
筆者が実際に役立つと思ったのは、画面を見ない時間帯をあらかじめ設けることだ。この夏は1週間、「家族サマーキャンプ」にでかける予定で、湖に出たり、乗馬をしたりしようと思っている。
これと同じことをもっと短時間でお金をかけずに行うこともできる。週末の午後にインターネットの接続を切り、家族でボードゲームをするのはどうだろう。
こういうことをすると、筆者はいつも幸福感が高まる。画面を見る時間をどう管理するかについて保護者や生徒、教育関係者と話すと、絶えず画面を見続けたいという誘惑を克服したという人たちは以前より幸せになったとも話す。周囲の状況に以前より意識を向けられるようになり、外に出かける、体を動かす、家族や友人と直接会う、他者を助けるといった、本当に幸せになることに使える時間が増えている。
「衝動が完全に消えることはないかもしれないが、その強さと影響力は弱まっていく」とカムダー氏は語る。「衝動は注意を支配し、行動を決定するものではなく、存在を認め、通り過ぎるのを許容できる一つの考えにすぎなくなる」
この過程では心理療法も役立つ可能性があるという。
ストレスや否定的な感情に対処するため、インターネットに向かう人もいる。しかし、そうすることで状況はさらに悪化しうる。もっと健全な対処法を見つけるほうがいい。オンラインから離れれば、本当に幸せにしてくれるものとのつながりを深められる可能性がある。
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本稿は米フェアリー・ディキンソン大学のケイラ・アライモ教授(コミュニケーション学)による分析記事です。

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