「円高がBTCを押し上げる」ヘイズ氏がドル増刷シナリオを分析

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この記事の要点

  • ヘイズ氏、FIMA拡充によるドル増刷でBTC上昇を予測
  • 担保可能な米国債は最大1.37兆ドル、ETH・ENAにも波及か

「ドル増刷でBTC上昇」ヘイズ氏予測

BitMEX(ビットメックス)共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は2026年8月11日、自身のブログで、米国による円高誘導がドル供給の拡大を招き、ビットコイン(BTC)の上昇につながるとの見方を示しました

このシナリオの実現手段としてヘイズ氏は、FRB(連邦準備制度理事会)が運営するFIMAレポ・ファシリティ(外国当局向けのドル調達制度)の拡充を挙げています。

FIMAが拡充されれば、日本の財務省は保有する米国債を売却せずにドルを調達し、その資金で円を買い入れることで円高を促せると同氏は説明しています。

ヘイズ氏は、スコット・ベッセント米財務長官がFIMAの取引先上限引き上げを公に求めていることから、こうした円高誘導をめぐって日米の通貨当局の利害が一致しているとみています。

この仕組みでは円買いに必要なドルをFRBが供給するため、ヘイズ氏はバランスシートの拡大を伴う実質的な「ドル増刷」が、ビットコインや金(ゴールド)への資金流入を促すとの見解を示しました。

円高誘導の3案、ヘイズ氏はFIMAに注目

利上げは市場混乱、資産売却は日米摩擦

ヘイズ氏はエッセイで、円高に誘導する手段として、「日銀(BOJ)の大幅利上げ」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など公的機関による海外資産の売却」「FIMAレポ制度を使った為替操作」の3案を挙げました。

日銀の利上げについては、YCC(イールドカーブ・コントロール)で大量の国債を抱え、2024年7月のサプライズ利上げではドル円が20円急落し株式市場も10%超下落した前例があるとして、リスクが高いとみています。

公的機関による海外資産の売却も、片山財務官が国内重視への投資方針転換を求める一方、GPIF側がこれに反論しているうえ、大量の米国債を手放せば日米関係にも影響が及ぶとして、現実的な選択肢ではないと分析しました。

売却回避と円買いを両立するFIMA案

こうした制約からヘイズ氏はFIMAレポを使う第3案に着目し、日本の財務省が保有する米国債をFRBに担保として差し入れ、売却せずにドルを調達する方法を想定しています。

日本側が調達したドルを売って円を買えば円高圧力が生じる一方、FRBはそのドルを供給するためにバランスシートを拡大することになり、ヘイズ氏はこの仕組みを実質的な「通貨増刷」と表現しました。

ただし現行のFIMAは取引先1機関あたり600億ドル(約9兆円)が上限で、直近の日米協調介入でも1,000億ドル超を投じながら円高効果は5%程度だったとして、現行の枠組みでは不十分だとみています。

一方、ベッセント財務長官はFIMAの上限撤廃やGPIFなど大型機関への対象拡大を求めており、ヘイズ氏は制度が拡充されれば円買いに使えるドルの供給規模も大幅に膨らむと見込んでいます。

担保可能な米国債は最大1.37兆ドル規模

FIMAを拡充した場合の規模についてヘイズ氏は、日本政府保有の1兆1,430億ドルとGPIFの2,300億ドルの米国債を合わせ、担保に使える資産が最大1兆3,730億ドル(約206兆円)に達すると試算しました。

コロナ禍にはFRBのバランスシートが約4兆ドル(約600兆円)膨らむのに伴ってビットコインも上昇したことから、ヘイズ氏はFIMAを通じてFRBのバランスシートが拡大すれば、ビットコインにも同様の価格反応が起こり得るとの見方を示しています。

ドル増刷ならETH・ENAにも上昇波及か

ヘイズ氏は先週の別のエッセイでも、BTCが将来100万ドル(約1億5,900万円)を超えるとの見方を示すなど、今回もFRBによる流動性供給を仮想通貨上昇の原動力とする立場を維持しています。

そのシナリオではイーサリアム(ETH)にも上昇余地があるとみており、2025年に最高値を更新できなかった大型銘柄であることに加え、RWA(現実資産)を支えるセキュリティ層としての役割を評価しました。

合成ドル「USDe」を発行するエセナ(ENA)については、流通量が高値から75%減少し価格も90%超下落しているものの、ドル流動性の回復によって5〜10倍まで戻る余地があると予測しています。

ただし、BTC・ETH・ENAの上昇を見込む前提にはFIMAを通じたドル供給の拡大があり、制度改定の権限はFOMC傘下の外国通貨小委員会(ウォーシュFRB議長ら3名)が握っていると同氏は指摘しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.17 円)

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Source:アーサー・ヘイズ氏ブログ
サムネイル:AIによる生成画像

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