仮想通貨のデバンキング問題に転換点|米OCC・FDICが検査基準を統一

1 時間前 2

音声で聞く

この記事の要点

  • OCC・FDIC、銀行検査の統一基準を共同発表
  • 評判リスク除外で仮想通貨の締め出し見直しへ

米2機関、銀行検査を財務リスク中心に統一

OCC(米通貨監督庁)とFDIC(米連邦預金保険公社)は2026年8月27日、銀行検査の判断基準を統一し、重大な財務リスクを重視する最終規則を共同で発表しました。

これまで「不健全な慣行」には法律や規則上の明確な定義がなく、検査官や機関によって判断が分かれる余地があったことから、両当局は共通基準を設けることで銀行検査の明確さと予測可能性を高める狙いだと説明しています。

検査基準が明確化されたことで、財務リスク以外の理由で仮想通貨(暗号資産)・フィンテック企業との取引を避ける「デバンキング(銀行からの締め出し)」をめぐっても、銀行側の対応が見直されるとみられています。

最終規則は2025年10月に公表された規則案に寄せられた意見を踏まえて一部を修正したもので、連邦官報への掲載から60日後に発効する見通しです。

「不健全な慣行」を明確化、財務重視へ転換

評判リスク除外、財務影響だけを判断基準に

両当局は新たな規則で、米銀行法(12 U.S.C. §1818)に基づく監督や処分の根拠となる「不健全な慣行」を、健全経営の一般基準に反し、放置すれば銀行の財務を著しく損なう行為だと定義しました。

これにより、方針や手続き、書類の不備といった非財務的な問題ではなく、銀行の財務健全性を損なう重大なリスクを優先して調べるよう検査官に求めています。

重大なリスクかどうかを判断する際の「財務の健全性への影響」については、資本・資産の質・収益・流動性・市場リスクへの感応度に対する損失や悪影響と定め、財務と直接関係しない評判リスクを検査の対象から除外しました。

改善要求の発行基準も財務リスク中心に統一

検査の重点を財務リスクに絞る今回の規則では、銀行に是正を求めるMRA(Matters Requiring Attention、改善要求事項)についても、財務に重大な影響を及ぼす問題か法令違反に限って発行する統一基準が設けられています。

一方、MRAを発行するほど重大ではない弱点は、是正を義務づけない「監督上の所見」として銀行に伝えられ、改善に取り組むかどうかは各銀行が判断するとしています。

ただし、新たな基準が適用されるのはOCCとFDICが監督する銀行に限られるため、FRB(連邦準備制度理事会)の監督下にある銀行は今回の見直しの対象外となっています。

仮想通貨デバンキング見直し、銀行アクセスに変化か

仮想通貨業界ではこれまで、規制当局による非公式の指導や曖昧なリスク評価によって関連企業が銀行から締め出されてきたとの批判があり、こうした問題は「オペレーション・チョークポイント2.0」と呼ばれてきました。

銀行検査の判断軸が重大な財務リスクへ明確に絞られたことで、評判や業種といった非財務的な理由だけで取引を断る余地が狭まり、仮想通貨企業の銀行アクセスが改善する可能性もあります。

仮想通貨企業の銀行アクセスをめぐる問題は米国に限らず、英国でも議会の超党派グループが、関連企業が銀行口座を開設・維持しにくい実態について調査を進めています。

今後は新基準が銀行による仮想通貨企業との取引判断にどう反映されるかに加え、対象外となったFRB監督下の銀行にも同様の見直しが広がるかが注目されます。

>>銀行関連の最新仮想通貨ニュースはこちら

Source:OCC・FDIC共同声明
サムネイル:AIによる生成画像

記事全体を読む