「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

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写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

写真提供:ブランドン・リッカート軍曹

第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, July 22, 2026

 中国共産党(CCP)は、通常の武力衝突には至らない「非正規戦」を担う組織網を構築し、米国を標的とした活動を展開しているが、米国はこうした脅威に対処する態勢が整っていない――。米シンクタンクの専門家が下院情報特別委員会で証言した。

 戦略国際問題研究所(CSIS)の国防・安全保障部門トップを務めるセス・ジョーンズ氏は21日の公聴会で、連邦政府と地方当局はいずれも、中国に加えロシアやイランによる「グレーゾーン戦争」の脅威に十分対応できる態勢にないと指摘した。

 ジョーンズ氏は「包括的な戦略は存在しないと考えている。連邦レベルだけでなく、先週、合同テロ対策部隊や情報融合センターの関係者と話したが、中国だけでなくロシアやイランによる『超限戦』が国内で展開されていることを理解し、実際の対策に落とし込む動きは州・地方レベルではほとんど見られない」と述べた。

 「超限戦」は、20年以上前に中国人民解放軍の2人の大佐が著した書籍で示された中国軍の概念だ。軍事力で優位に立つ米軍を、金融、貿易、サイバー、メディア、法律、環境、さらにはテロなど、軍事以外の多様な手段を駆使して打ち負かす戦略を提示している。

 米軍はこれを「グレーゾーン戦争」と呼び、中国軍は南シナ海や台湾周辺、北東アジアの日本に対してこうした手法を多用しているとみている。

 ジョーンズ氏は、中国による「超限戦」には、大規模な影響工作も含まれると述べた。その例として、米国内で大型AI(人工知能)データセンター建設への反対世論を引き起こす工作への関与を挙げた。このほか、中国共産党に反対する海外在住者の秘密裏の拘束、米国の大学などでの大規模なスパイ活動、攻撃的なサイバー攻撃を挙げた。

 こうした戦争に対抗するには、全米の法執行機関や情報機関の任務を拡大し、脅威に対応できるようにする必要があると同氏は述べた。

 さらに、外国代理人登録法(FARA)を強化して中国の影響工作に対抗するとともに、電子監視を認める702条の権限を改めて確認し、中国の活動に対処すべきだと主張した。また、中国共産党関係者の米金融市場へのアクセス制限も検討すべきだと述べた。

 事前に提出した証言では、中国の非正規戦を担う複数の組織が列挙されている。領有権が争われている海域で他国を威圧する中国海警局と海上民兵、反体制派弾圧に動員される人民武装警察部隊、低強度戦争を担う人民解放軍の各部隊などが挙げられている。

 また、米議会の調査によれば年間約110億ドルの予算を持つ統一戦線工作部も、中国の対外影響工作の主要機関だと指摘した。

 さらに、国家安全省(MSS)と公安省も超限戦に関与しているという。

 その活動には、情報・影響工作、心理戦、宣伝活動、電子戦やサイバー戦、ゲリラや代理勢力への支援、さらに破壊工作や転覆活動を含む秘密情報活動や特殊作戦が含まれるとジョーンズ氏は述べた。

 レアアース(希土類)の輸出規制に見られるような経済的威圧も、中国の重要な手段の一つだという。

 ジョーンズ氏は「中国は武力衝突に至らない程度の幅広い手段を駆使し、中国共産党の影響力拡大と米国の弱体化を図っている」と述べた。

 さらに「中国の情報活動は広範囲に及ぶだけでなく、中国が展開するあらゆる非正規戦活動を計画・実行するために利用されている」と語った。

 中国による米国内での影響工作としては、全米プロバスケットボール協会(NBA)やハリウッドの映画会社への圧力も含まれると指摘した。

 「これらの手段は互いに独立したものではなく、重なり合い、相互に補強し合い、時には重複したり競合したりしている」と述べた。

 さらに、「中国が非正規戦やグレーゾーン活動を展開する最大の目的は、中国共産党による支配体制の維持だ。もう一つの目的は、中国の影響力を拡大し、勢力均衡を巡る競争の中で米国を弱体化させることだ」と説明した。

 情報特別委員会のリック・クロフォード委員長(共和党、アーカンソー州)は、非対称戦、非正規戦、外国による悪意ある影響工作、経済戦争、スパイ活動、グレーゾーンでの侵略といった新たな脅威が増えていると述べた。

 クロフォード氏は冒頭発言で、「中国とロシアは、米国の国内安全保障上の隙や防諜上の弱点を利用してきた」と指摘した。

 その上で、こうした脅威に対抗するには、米情報機関がより緊密に連携し、柔軟性を高め、国外・国内、公的・民間、物理・デジタル、軍事・経済といったあらゆる分野にまたがる脅威を探知できる能力を備える必要があると述べた。

■国防長官、中国・ロシアが情報提供でイランを支援

 ヘグセス米国防長官は22日の上院公聴会で、中国とロシアが米国との衝突が続いているイランを支援しているとの認識を示した。

 ヘグセス氏は上院歳出委員会で、「この敵対国同士が連携していることは間違いない。その試みは続いており、われわれにはそれを抑止する多くの手段がある。その一部や、支援の深さと範囲については機密にしておくべきだ」と述べた。

 「中国とロシアは、それぞれ異なるレベルではあるが、イランが行っている活動の一部を支援している」と語ったが、詳細には触れなかった。

 この発言は、中国とロシアがイランの攻撃を支援するため、情報や衛星画像を提供しているとの報道を受けたものだ。

 今年3月には、ラトクリフ中央情報局(CIA)長官が上院での証言で、イランがロシアや中国など米国の敵対国に情報支援を求めていたことを明らかにしている。

 ラトクリフ氏は「イランはロシア、中国などの米国の敵対国に情報支援を要請している。それらの国が実際に支援しているかどうかについては、非公開の場で議論できる」と述べた。

 ルビオ国務長官は23日、マニラでの記者会見でヘグセス氏の発言を否定しなかった。

 中国とロシアがイランに標的設定用のデータ(ターゲットデータ)を提供しているかとの質問に対し、ルビオ氏は具体的な言及を避けた。

 「その点については話さない。ここで言えることは、中国が行ったことによって、われわれがイランとの対立で直面している状況の流れが変わったことはないということだ。中国はむしろ、いくつかの点で非常に協力的だった」と述べた。

 さらに、中国がどのように協力したのかを問われると、「中国が『実行し得たが実行しなかったこと』に関係している」と説明した。

 「中国側も――彼ら自身の口から語らせるべきではあるが――イランが海峡で試みていることを決して快く思ってはいないはずだ。実際、彼らは公の場において、海峡における徴税や、航行の自由に対するいかなる制約にも反対すると明言している。われわれは、中国が今後もその姿勢を表明し続けることを望んでいるし、他の国々も同様に声を大にしていくことが極めて重要だ」

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