三越伊勢丹ホールディングスは2026年8月13日、2027年3月期第1四半期決算と通期業績予想の上方修正、普通株式1株を2株にする株式分割(基準日9月30日、効力発生日10月1日)を発表した。
あわせて株主優待制度も変更し、分割後100株以上(分割前50株以上100株未満)の株主も新たに対象に加える。
2027年3月期第1四半期(4〜6月)は売上高が前年同期比3.8%増の1289億円、営業利益が同20.6%増の189億円だった。経常利益は同16.7%増の199億円に伸びた。主力の国内百貨店事業では、国内顧客・海外顧客(インバウンド)ともに高額消費が牽引した。
通期純利益は630億円に上方修正
第1四半期の実績を踏まえ、通期の連結業績予想も上方修正した。
純利益は前期比17.2%減の630億円(従来予想比2.4%増)、経常利益は前期比4.1%減の830億円(同3.8%増)、売上高は前期比3.0%増の5620億円(同0.4%増)、営業利益は前期比5.0%増の840億円(同3.1%増)とした。
なお、2026年5月13日公表の期初計画では、連結営業利益は前期比1.8%増の815億円、経常利益は前期比7.6%減の800億円、純利益は前期比19.2%減の615億円、年間配当は前期から10円増の80円としていた。
好調の背景には国内外双方の顧客需要の強さがある。国内顧客の需要は堅調に推移し、クレジットカードやアプリを通じたマーケティングが客単価の引き上げに寄与した。
海外顧客ではアジア・北米からの訪日客増加により高級ブランド品や化粧品の販売が好調で、中国客の客足も回復しつつある。株高の恩恵を受けた国内顧客と円安の恩恵を受けた海外顧客が、ともに高額品消費をけん引した。

Trading View
決算・株式分割発表前の株価は8月12日終値3677円。発表を受けた8月13日は取引時間中に一時、前日比6%高の3909円まで買われたが、終値は0.5%高の3695円にとどまった。その後は3500円台で推移している。
1株を2株に株式分割、株主の裾野拡大
同社は、個人投資家をはじめ幅広い投資家が投資しやすい環境を整え、株主層を広げる目的で株式分割を実施するとしている。
基準日は2026年9月30日、効力発生日は10月1日(基準日公告は9月15日予定)で、この日の株主が保有する普通株式1株が2株になる。
発行済株式総数は3億6745万1554株から7億3490万3108株に倍増し、発行可能株式総数の上限も15億株に引き上げるが、資本金の額に変更はない。
これに伴い、2026年2月6日の取締役会で決議した自己株式取得の上限も1800万株から3600万株に引き上げた(取得価額総額300億円、取得期間2026年2月9日〜2027年2月8日は変更なし。
配当は分割比率調整のみ、実質据え置き
2027年3月期の期末配当予想は、5月13日公表の1株当たり40円から20円に修正した。分割比率に合わせた調整であり、実質的な配当額に変更はない(分割前換算で80円)。9月30日基準の中間配当は分割前の株式数を基準に40円のまま実施する。
株主優待の対象拡大、「分割前50株」も優待対象に
株式分割にあわせて、株主優待制度も見直す。新たに対象となるのは、分割前ベースで50株以上100株未満を保有する株主で、買い物が10%割引となる優待カード(利用限度額15万円)を贈る。
分割前から100株以上を保有する株主については、優待内容に実質的な変更はない。変更後の制度は、2027年3月末時点の株主名簿に基づき適用が始まる。
長期保有特典の条件も、「300株以上を2年連続保有」から分割後基準の「600株以上を2年連続保有」に改める。分割比率に合わせた表記の変更であり、実質的な条件に変わりはない。
同様の対応は他の百貨店でも見られる。高島屋も2024年、1株を2株にする株式分割にあわせて株主優待を変更し、分割後100株(分割前50株)以上を保有する株主から株主優待を受けられるよう対象を広げた。

2 週間前
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