(CNN) 黒海への玄関口に対するロシアの支配力が揺らぎ始めている。ウクライナによる一連の攻撃を受け、今週には黒海へつながる重要な水路の通航を停止せざるを得なくなった。こうした措置によって現在、世界との貿易を行うクレムリン(ロシア大統領府)の能力は制限された状態にある。
この展開はロシアにとって大きな情勢の逆転を意味する。アゾフ海は長年にわたりウクライナ政府の手が届かない場所にあり、ロシアにとっては対ウクライナ攻撃を行うための都合の良い前進拠点となるとともに、ロシア南部の広大な地域を世界の海へと結ぶ役割を果たしていた。
しかし、ウクライナのドローン(無人機)計画における最近の進展が状況を変えた。同国ドローン部隊のロベルト・ブロフディ司令官は15日、ウクライナ政府が過去9日間だけでアゾフ海においてロシア船舶116隻を攻撃したと説明。攻撃件数が急増していることを明らかにした。
ウクライナ軍の無人システム部隊が公開した、アゾフ海でのロシア船舶攻撃の様子を捉えた動画(Ukraine's Commander of the Unmanned Systems Forces, Robert Brovdi)
これまでロシア船舶への攻撃は、主に「シャドーフリート(影の船団)」や軍艦に限定されていた。CNNはブロフディ氏の主張を独自に検証できていないが、ウクライナ当局が公開した最近の攻撃映像の一部には、船舶への直接命中が映っている。
絶え間ない攻撃により、ロシアはアゾフ海の通航を停止せざるを得なくなった。そのため、アゾフ海の両端にある二つの要衝、ドン・アゾフ水路とケルチ海峡が閉鎖されている。前者はアゾフ海と内陸水路を、後者はアゾフ海と黒海とをそれぞれ結ぶ。
衛星画像や船舶追跡サービスによると、アゾフ海の両側では多数の船舶が長い列を作って待機している。
ウクライナは、制裁対象の燃料を運ぶロシアの「影の船団」に属する石油タンカーを標的とすることに一段の成功を収めている。しかしアゾフ海を封鎖すれば、小麦やヒマワリ油のように制裁の対象となっていない輸出品にも影響を及ぼすなど、より広範な結果が生じる可能性がある。
米国を拠点とする紛争監視機関「戦争研究所(ISW)」は14日、アゾフ海でのウクライナの攻撃について「ロシアの物流ネットワークから占領下のクリミアを孤立させるとともに、ロシアの海上輸送ルートを混乱させようとするウクライナの取り組みの新たな段階を示している。特に石油製品や穀物の輸送ルートがこれに該当する」と述べた。
この作戦に参加しているウクライナ軍第413独立無人システム連隊の指揮官、エウヘン・カラス少佐は、ロシアはクリミアを一つの巨大な軍事基地に変えたと説明。そこにはさらにウクライナ奥深くへ進撃しようとする部隊を支援する兵力も配備していると述べた。
「我々はあらゆる物流を断ち切っている」とカラス少佐はCNNに語り、ウクライナがより低コストでより遠方を攻撃できる能力は「ロシア側には解決できない問題になっている」と述べた。
「我々は、可能な限り深くまでこの圧力を強めていく。これはまだ始まりに過ぎない」(カラス氏)

4 時間前
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