ミスタードーナツを展開するダスキンは6月30日、7月上旬に予定していた新食感ドーナツ「もっちゅりん」シリーズの第2弾の発売を中止すると発表した。6月に発売開始した第1弾が想定以上の大ヒットとなり、店舗の混雑や材料不足が発生。これらを解消するための異例の措置となる。
「もっちゅりん」は、もち粉と米粉をブレンドした独自の“もっちゅり”とした弾力感が特徴のドーナツだ。第1弾商品について「いちご」は予定通り6月末で終了したほか、残る「きなこ」と「みたらし」についても、7月中旬から各ショップの原材料がなくなり次第、順次販売を終了する。
親会社ダスキン、ミスドを筆頭に「フードグループ」が業績を牽引

ダスキン
高い商品開発力でヒットを連発するミスタードーナツ。そのブランド力は、親会社であるダスキンの業績にも表れている。
ダスキンが発表した2026年3月期の通期連結決算によると、全社業績は売上高1945億5400万円(前期比3.1%増)、営業利益87億4800万円(前期比20.4%増)と増収増益を達成した。
なかでも、ミスタードーナツや、とんかつ専門店「かつアンドかつ」、イタリアンレストラン「ナポリの食卓」などを擁する「フードグループ」の躍進が目覚ましい。同グループの決算上の売上高は689億1400万円(前期比3.2%増)、営業利益は100億2300万円(前期比17.1%増)を記録し、全社の業績を牽引している。
グループの柱であるミスタードーナツにおいて、定番の刷新や季節ごとのコラボ商品のヒットに加え、前期に実施した価格改定効果による客単価増(前期比3.5%増)が寄与。フランチャイズ店などを含めた国内の全店合計お客様売上高は1422億8100万円(前期比4.2%増)と大きく伸び、同社の原材料売上やロイヤリティ収入の増加につながった形だ。
ダスキンの「新化」。システム投資や海外展開に注目
ダスキンが示す2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高2015億円(前期比3.6%増)、フードグループ単体で売上高708億円(同2.7%増)と増収維持を見込む。
一方、同グループの営業利益は98億円(前期比2.2%減)と、利益面ではやや慎重な見通しとなっている。この背景には、前期の「もっちゅり」などのヒットに伴う反動減に加え、店舗の人手不足対策や省力化を目的とした「AIスキャン」レジの順次導入など、将来に向けたシステム投資費用を織り込んでいるためとしている。
中期経営方針では「かつアンドかつ」や「ナポリの食卓」のフランチャイズ(FC)展開強化を掲げるほか、2025年7月には冷凍宅配弁当の「ナッシュ」と資本業務提携を締結した。さらにミスタードーナツの中国華東地区進出も決定しており、2027年3月期中の1号店オープンに向けて海外展開を本格化させている。

Trading View提供
ダスキンの好調なフード事業と成長戦略は、株式市場でも高く評価されている。株価は、今年5月の増益決算発表以降に上昇基調を強め、7月現在、4300円〜4400円付近の高値圏で推移。
今後はシステム投資による店舗効率化や、中国市場をはじめとする海外展開の成否が注目される。
※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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