【フランスで今、何が起きているのか】デモの背景や政治的な絡みを解説

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フランス全土で10月17日、大規模な改革を求め、数十万人が抗議活動に参加した。

平和的だったデモの一部は暴動と化し、その周縁では略奪や放火が勃発した。

時間と共に緊張が高まり、これまでに約2400人が逮捕された。19日にはフランス全土の複数の地域で、暴力行為を抑えるための夜間外出禁止令が発令された。

事態は深刻な展開へと向かっており、フランスではガソリン増税に反発した2018年の「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト運動)」以来、最悪規模の市民の暴動となっている。

一体何が起きたのか?なぜデモが始まったのか?

そして今後どうなる可能性があるのか。

フランスで10月17日に何が起きたのか?

10月17日にはフランス全土で推定55万人が街頭に繰り出した。パリでの主要なデモ行進は平和的に行われた。

しかし時間が経つにつれ、全国各地で暴動が始まった。

セバスチャン・ルコルニュ首相は、150人の警察官が負傷したと述べた。

警察は群衆をコントロールするために催涙ガスや放水砲を使用したが、抗議者たちは放火や略奪を行なった。

フランス内務省は、各地で大混乱が巻き起こる中、「覆面姿の人物ら」による「標的を絞った暴力行為」があったと発表。リヨンの観光局のような象徴的な建物でさえ放火された。地元警察によると、「攻撃的な人物」が消防隊の消火活動を妨害したという。

フランス商工会議所の代表によると、2000の企業がデモの影響を受けたという。

パリでは抗議活動家たちと警察が衝突した=2026年10月18日、フランス・パリ
パリでは抗議活動家たちと警察が衝突した=2026年10月18日、フランス・パリ

via Associated Press

なぜ抗議活動が起きているのか?

フランスの教育システムに対する不満は9月から高まっていた。

15歳から18歳の生徒たちは、すし詰めの教室や長い拘束時間、非実用的な時間割や教師の不在に激怒し、ネット上での怒りが蓄積されたのち、街に繰り出し始めた。

イギリスのThe Times紙によると、イギリスの平均的な生徒の授業時間は640時間である一方、フランスでは約1008時間だという。

フランスの制度が資金不足というわけでは決してない(同部門は2023年にGDPの4.5%を受け取っている)が、生徒たちはそれに見合う価値を得ていないと感じている。

生徒たちはすぐに労働組合員の支持を受け、10月17日にガソリン税と生活費の高騰に対する抗議活動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト運動)」の再開が呼びかけられた。

抗議活動の背後にある理由は、低迷している経済状況や苦境にある福祉国家に対する一般的な怒りへと姿を変えた。

現在、無鉛ガソリンは1リットルあたり2.2ユーロ(約390円)、ディーゼルは1リットルあたり2.30ユーロ(約410円)となっているが、閣僚らは国が多額の負債を抱えているため燃料税を引き下げることはできないと述べている。

英Economist誌のパリ支局長であるソフィー・ペダー氏はBBCに対し、平和的な抗議者、組織化されたフーリガン(乱暴者)、そして略奪者という3つの異なるタイプの人々が存在すると語ったが、誰がこの暴動の背後にいるのかを「区別するのは難しい」と指摘した。

政治的要素も

フランスでは大統領選挙が目前に迫っており、これらの抗議活動には政治的な要素も絡んでいる。

中道派のエマニュエル・マクロン大統領は、2期(各5年、計10年)の任期を終え、2027年5月に退任する予定だ。

次期大統領選は、極右の国民連合(RN)の候補者マリーヌ・ルペン氏と左翼政党の「不服従のフランス(LFI)」のジャン=リュック・メランション氏が争うと予想されている。

これは、現在フランスの政治が不安定な状態にあり、選挙が国の今後の方向性に大きな影響を与えると予想されることを意味する。

デモにはメランション氏も参加し(略奪や放火は非難しつつ)、警察官が抗議者に対して「実力行使に出た」と非難した。

一方、中道派のルコルニュ首相は「極左」を非難し、メランション氏のコメントは「危険かつシニカル」だと述べ、警察官は「極めて激しい暴力」に直面したと警告した。

ルコルニュ首相は、一部のグループが暴動を大統領選挙の「準備運動」として利用していると指摘。「誰も暴力を通じて自らの政治的アジェンダを押し付けることはできない」と付け加えた。

また極右のルペン氏は、抗議者たちが共有する「正当な要求」が「極左によって人質にされている」と述べた。

フランス政府の対応は?

フランスのローラン・ヌニェス内務相は、警察は「コントロールを失った」とし、警察官側の「予測不足」があったと述べた。同氏は抗議活動を理由に辞任を申し出たが、マクロン仏大統領によって拒否された。

マクロン大統領は18日のテレビ演説で、暴力は「一切正当化できない」と非難し、略奪や建物の襲撃を行なった者たちは「犯罪の代償を払う必要がある」と述べた。

ルコルニュ首相は、これ以上の暴力の発生を抑えるため、一部地域で夜間外出禁止令を出すよう地方当局に要請した。また、必要であれば政府が非常事態宣言を発令する可能性もあると述べたが、現段階では検討されていない。

さらに、デモ周辺での暴力や犯罪を減らすため、国の司法機関による「強力な」対応が行われるだろうとも語った。

捜査当局はソーシャルメディアの映像を検証し、犯人たちの特定を進めている。

政府は以前、抗議者たちとの交渉を試みており、フランスのエドゥアール・ジェフレ教育相は10月8日、教員不足に陥っている高校に3000人の代替教員を配置すると発表した。しかし、その後も抗議活動は続いた。

政府はまた、高等教育の登録料を一部値上げする計画を撤回した。燃料価格の高騰を受けて、特定の業界向けの補助制度も実施している。

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