バンクシーの新たな彫像、ロンドンに登場 無批判な愛国心を風刺か

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(CNN) 謎に包まれたアーティスト、バンクシーが、英ロンドン中心部に突如出現した巨大な彫像作品を手掛けたことを認めた。彫像はスーツ姿の男性が台座の上で闊歩(かっぽ)する姿を捉える。男性は手にした旗で顔をすっぽりと覆われた状態で、今まさに台座から足を踏み外そうとしている。

バンクシーは4月30日に自身のインスタグラムに投稿したユーモラスな動画の中で、この作品の作者であることを明らかにした。動画には、作業員たちが夜陰に紛れて彫像を設置する様子が映っている。

台座にバンクシーのサインが刻まれたこの風刺的なモニュメントは、29日の早朝に出現して以来、ロンドンのウォータールー・プレイスに多くの人々を惹きつけている。無批判な愛国心への皮肉とも取れるこの彫像と共に、現地には国王エドワード7世や南極探検隊のスコット隊長など、英国史における重要人物たちの彫像が立ち並ぶ。

30日にバンクシーのインスタグラムに投稿された動画には、年配の男性が当該の彫像に近づき、「気に入らない」と口にする場面が映っている。しかしソーシャルメディア上では、この新作に好意的な反応を示す人が多かった。あるインスタグラムユーザーは「集団的な無分別、つまりビジョンも準備もないまま前進することへの説得力のあるメッセージだ」とコメントしている。

このユーザーはさらに「本当に力強い作品だ」「旗は何の旗なのか分からない。国も忠誠の対象も、そこには描かれてはいない。ただの形のみで普遍的な存在になっている。それでいて、紛れもなく明確な方向性を示している」と付け加えた。

30日の午後までに、ロンドン当局は像の周囲に柵を設置した。この地域を管轄するウェストミンスター市議会は英BBCに対し、「バンクシーの最新作がウェストミンスターに登場し、活気あふれるロンドンの公共アートシーンに印象的な作品が加わったことに胸を躍らせている」と発言。その上で「像を保護するため初期段階の措置を講じたが、現時点ではアクセス可能な状態に保つ予定だ。一般の人々が鑑賞し、楽しめるようにする」と説明した。

彫像は旗で顔がすっぽりと覆われたスーツ姿の人物をテーマにしている/Dan Kitwood/Getty Images
彫像は旗で顔がすっぽりと覆われたスーツ姿の人物をテーマにしている/Dan Kitwood/Getty Images

今回の作品が出現するわずか2カ月ほど前には、ロイター通信がバンクシーの正体を突き止めたと報道。大規模な調査の結果、ブリストル出身の眼鏡をかけた中年男性、ロビン・ガニンガム氏だと特定したが、バンクシー本人は自身の正体について肯定も否定もしていない。

1990年代に英国各地で作品を発表し始めたバンクシーは、ステンシルとスプレーペイントを用いて政治的、風刺的、そしてしばしば反体制的なメッセージを打ち出す作品が最もよく知られる。ただ30年にわたるキャリアの中で、数々の彫像や彫刻も制作している。

2004年には、交通コーンを帽子のように頭に乗せ、物思いにふける裸のブロンズ像を制作したと明らかにした。ロダンの「考える人(The Thinker)」をもじって「飲む人(The Drinker)」と名付けられたこの作品は、ロンドンのウェストエンドに出現した。

◇ 原文タイトル: Banksy’s new flag-wielding London statue satirizes blind patriotism(抄訳)

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