メリーランド州ハノーバー(CNN) 米国のバイデン前大統領は27日夜、メリーランド州で開かれた資金集めのパーティーで民主党員を鼓舞した一方、自身の後を継いでホワイトハウス入りしたトランプ大統領の行動を非難し、うぬぼれが強く腐敗していると評した。
バイデン氏は出席者に向かって「自分の虚栄心を満たすためのプロジェクトにとどまらない。ホワイトハウスのイーストウイング(東棟)を取り壊して宴会場のための場所をつくり、ケネディセンターに自分の名前を付け、自分をたたえる凱旋(がいせん)門を建て、さらにはリフレクティング・プール(反射池)の修理に知り合いのプール業者まで雇った。ワオ、何という負け犬だ」と語りかけた。
バイデン氏は続けて、「反射池が映し出しているのは、この政権の核心にある自己中心主義や無能さよりも、もっとひどいものだ。それは腐敗だ。厚かましく、露骨な腐敗だ。米国史上どの政権にも見られなかった規模の腐敗だ」と断じた。
10分間に及んだ演説は、同氏が退任後に行ったトランプ氏に対する批判として最も痛烈な部類に入る。今回の演説は、バイデン氏がCNNの大統領選討論会でトランプ氏と対峙(たいじ)してから、ちょうど2年後に行われた。この討論会は、当時大統領だったバイデン氏が抱いていた2期目への望みを狂わせることとなった。
「私が腹を立てているのは、トランプ氏が納税者のお金、つまり皆さんのお金を1月6日の(連邦議会議事堂を襲撃した)暴徒に与えようとしていることだ。それが彼の望みだ」とバイデン氏は聴衆に訴えた。「こうした連中は補償されるに値しない。長く、長く、長く刑務所に入れられるべきだ」
ホワイトハウスを去ってから、バイデン氏がトランプ氏への批判をためらうことはなかった。
ただし、こうした動きは、バイデン氏が複雑な退任後の時期を過ごし続ける中で見られている。党内の多くは、2024年大統領選への対応をめぐって今も不満を抱いている。SSRSが実施したCNNの最近の世論調査では、バイデン氏に好意的な見方を示した米国民はわずか30%にすぎず、在任中のどの時点よりも低かった。
今回の演説は、バイデン氏の家族が政治の表舞台に再び姿を見せ始めた時期とも重なる。元ファーストレディーのジル・バイデン博士は回顧録を出版し、宣伝ツアーに乗り出した。24年の一連の出来事についてジル氏が自身の見解を示したことは、党内の古傷をえぐるものだと多くの民主党員が感じ、いら立った。
バイデン政権の元報道官で、特に熱心な擁護者の一人だったアンドリュー・ベイツ氏は米紙ニューヨーク・ポストに対し、「私たちには勝つ義務があったが、勝てなかった」と語った。「私はそのことをずっと考えている。ただ、党にとってつらいその議論をなぜ今、公の場で再開する必要があったのか分からない」
この発言について、ワシントンでの出版記念ツアーの会場で問われたジル氏は、「電話してきて、私に面と向かって言うべきだ」と反論。この反応は多くの元側近から批判を招いた。
バイデン夫妻の息子であるハンター・バイデン氏は、至るところに姿を見せ、包み隠さず語っているように見える。ハンター氏はSNSで大きな支持を集めており、X(旧ツイッター)のフォロワーは80万人を超える。薬物依存に苦しんだ過去や、政治についての考えをつづった投稿を次々に発信してきた。
ニューサム・カリフォルニア州知事のポッドキャストでは、父親が下した決断の中でも特に物議を醸した一つがどのように記憶されるかについて率直に語った。
ハンター氏は、自分を恩赦しないと主張していたにもかかわらず結果として恩赦を決めた父親の判断について、「父は自分のレガシーより私を選んだ。何と言ってもそれは父について最初に書かれることの一つになるからだ」と述べた。
バイデン氏のレガシーを形作る試みは今後数カ月でより鮮明になる可能性がある。同氏は今年の大半を回顧録の執筆に費やしてきたが、正式な発売日はまだ発表されていない。
民主党の一部から悲観的な目を向けられているものの、それでもバイデン氏はできるかぎり民主党の助けになる方法を模索している。
民主党員を前にしたバイデン氏は27日夜、自身は党のために「今も闘っている」と強調。権力の座を離れている民主党の党員を励ました。
「わが国を愛するすべての皆さんへ、今夜の私のメッセージは率直でシンプルだ。立ち上がれ、今すぐ立ち上がれ。この闘いを続けるのだ!」。バイデン氏は拍手を浴びながらそう訴えた。

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