ステーブルコインが企業の「現金」へ、FASB改訂案で採用に道|Tempo分析

11 時間前 5

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この記事の要点

  • テンポ、FASB会計基準案でSC企業利用の壁が緩和と分析
  • SCの「現金同等物」分類が企業採用の追い風に

まずはステーブルコインを詳しく

SC企業利用を阻む会計障壁に変化の兆し

決済特化型ブロックチェーンを開発するTempo(テンポ)は2026年10月、米国の会計基準改訂案により、ステーブルコインの企業利用を妨げてきた会計上の障壁が緩和される可能性を分析レポートで指摘しました。

同社は、企業がステーブルコインを保有しても現金として計上できないことが、流動性比率の低下や融資契約上の制約につながり、企業財務部門による採用を妨げてきたと説明しています。

こうした課題に対し、FASB(米財務会計基準審議会)は8月18日、一定の条件を満たすステーブルコインを「現金同等物」に分類できるかどうかを明確にする会計基準改訂案(ASU)を公表しました。

テンポは、この改訂案が採用されれば、企業がステーブルコインを現金に近い資産として管理しやすくなり、保有や決済利用の判断が仮想通貨担当部門からCFO(最高財務責任者)や企業財務部門へ移る可能性があるとの見方を示しています。

改訂案は現時点で正式決定されておらず、FASBは2026年11月19日までパブリックコメントを受け付け、寄せられた意見を踏まえて最終基準と発効日を決定する予定です。

同じステーブルコインでも会計処理に差

FASB案が示す現金同等物の3要件

テンポは同レポートで、ステーブルコインを現金同等物として計上するには、保有するトークンの種類だけでなく、発行体との償還契約が重要になると指摘しました。

同社が取り上げたFASBの改訂案では、発行体に対していつでも現金への償還を請求できること、既知の金額で直接償還を受けられること、発行済みトークンに対して少なくとも1対1の準備資産が分別管理されていることを判断条件に挙げています。

特に直接償還の条件について、テンポは取引所でステーブルコインを1ドル相当で売却できるだけでは要件を満たさず、発行体との直接的な契約関係が必要だと説明しています。

同社は仮想通貨(暗号資産)や金を裏付けとするトークンも、既知の金額で現金に転換する要件を満たさないため、現金同等物への分類対象から外れるとの見方を示しています。

コインベースがUSDCを「現金同等物」に再分類

発行体との直接償還契約を持つ企業の事例として、テンポは米Coinbase(コインベース)が2025年度の年次報告書(10-K)で、USDCなどのペイメント型ステーブルコインを「現金及び現金同等物」に再分類したことを取り上げています。

Coinbaseは、USDC発行体のCircle(サークル)との償還関係を通じて、保有するUSDCを既知の金額でほぼ即時に現金へ転換できることなどを再分類の根拠として説明しました。

一方、テンポは、同じUSDCを取引所経由で購入しても、Circleとの直接償還契約を持たない企業は、FASBの提案に基づいて現金同等物として計上することは難しいと分析しています。

直接償還口座の需要拡大と残る課題

こうした企業間の違いを踏まえ、テンポは今後、ステーブルコイン発行体に直接償還口座の開設を求める企業財務部門が増えると予測しています。

ただし、発行体との契約を結んでも、償還手数料や最低償還額などの条件によっては、既知の金額で現金に転換できるという要件を満たすかどうかが不明確になる可能性があると指摘しました。

このため同社は、企業がステーブルコインを保有する前に、発行体から償還条件を書面で取得し、融資契約上の財務制限条項への影響を金融機関と確認するよう求めています。

41%がコスト削減も会計課題は未解決

EY-Parthenonが2025年6月に企業・金融機関の幹部350人を対象に実施した調査では、ステーブルコイン利用組織の41%が「10%以上のコスト削減」を報告する一方、全回答者の38%が会計・税務上の取り扱いの明確さを導入上の課題に挙げました。

同調査では73%が規制の不確実性を懸念しており、調査実施後の2025年7月18日には米国で「GENIUS(ジーニアス)法」が成立し、決済用ステーブルコインの発行体に準備資産の裏付けや情報開示を求める法的枠組みが設けられています。

GENIUS法が発行体を規制する一方、FASBの改訂案は保有企業側の会計処理を対象としており、テンポは分析レポートで、両者が異なる役割を担う制度であると説明しました。

FASBの改訂案は現在も意見募集の段階にあり、2026年11月19日の締切後、テンポが企業利用の条件として重視する直接償還権の扱いを含め、最終的な会計基準と発効日が検討される見通しです。

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Source:Tempo分析レポート
サムネイル:AIによる生成画像

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