シャチでさえ遭遇を避ける「海の生物」がいた

19 時間前 2

シャチの声を聞くと、向かってくるヒレナガゴンドウ

多くの海洋哺乳類にとって、シャチの鳴き声は危険を知らせる警報のようなものです。

ところがヒレナガゴンドウは、シャチの声を聞いても逃げず、むしろ音源へ近づいていくことが過去の実験から分かっています。

実際の遭遇でも、ヒレナガゴンドウは大きな群れでシャチへ接近し、シャチの側がその場を離れる傾向が観察されてきました。

ときには、シャチが水面から何度も跳び出すほどの高速で逃げることもあります。

画像ヒレナガゴンドウ/ Credit: ja.wikipedia

この関係が不思議なのは、ヒレナガゴンドウがシャチよりかなり小さく、ヒレナガゴンドウがシャチを直接攻撃した例も確認されていないことです。

むしろ、両者がやり合ったら、普通にシャチの方が強いはずです。

双方が同じ餌資源を奪い合っている証拠も乏しく、なぜシャチが避けるのかは分かっていません。

そこでチームは、シャチが目の前に現れたヒレナガゴンドウではなく、その鳴き声自体に反応している可能性に注目しました。

研究は2021年から2023年の夏、アイスランド南部のヴェストマン諸島周辺で実施。

8頭のシャチに吸盤式の記録装置を取り付け、泳ぐ速度や方向、潜水深度、体の動き、発声などを記録しました。

そのうえで、シャチの進行方向から500~1000メートル離れた水中スピーカーから、ヒレナガゴンドウの鳴き声や比較用の雑音などを15分間流しました。

実験は合計15回行われ、このうち8回ではヒレナガゴンドウの声が使われました。

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