クラリティ法案「5月採決」視野に、コインベースCPOが見通しを示す

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この記事の要点

  • コインベース幹部が2026年4月16日、CLARITY法の進展を言及
  • 同法案は5月の上院本会議で採決される可能性が浮上
  • 停滞していた法案が再始動し規制整備の転換点に
  • 成立すれば米仮想通貨市場の規制枠組みが明確化

コインベース幹部「CLARITY法5月採決視野」

米仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のCPO(最高政策責任)であるファリアル・シルザド氏は2026年4月16日、米FOXビジネスの番組でCLARITY(クラリティ)法案について、5月中に上院本会議での採決が視野に入るとの見通しを示しました。

同氏は、上院銀行委員会でのマークアップ(修正審議)も今月中に実施される可能性があるとの認識を示しており、CLARITY法案の審議が再び動き出しているとの見方を強調しました。

CLARITY法は2026年1月に上院銀行委員会でのマークアップが直前で中止されて以降、約5カ月にわたり議会で停滞してきました。

今回のシルザド氏の発言は、長期停滞してきた法案審議が再開に向かう可能性を示すものとして注目されています。

利回り争点が最終段階、CEA分析が決め手か

シルザド氏「ステーブルコイン利回りはほぼ決着」

シルザド氏は、法案交渉の最大の難点とされてきたステーブルコイン利回り付与をめぐる争点が、ほぼ決着に向かっているとの認識を示しました。

米銀行業界はステーブルコインへの利回り付与が既存の預金商品と競合し、預金流出(デポジット・フライト)を招くと主張してきました。

これに対しシルザド氏は「問題はほぼ決着している」と述べ、銀行業界と仮想通貨業界の対立が実質的に解消されつつあるとの見方を強調しています。

CEA報告「利回り禁止の効果0.02%」

同氏はこの見方の根拠として、ホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)が4月8日に公表した経済分析レポートを挙げました。

CEAのレポートは、ステーブルコインの利回り付与を全面禁止しても銀行貸出の増加はわずか21億ドル(約3,340億円)にとどまると結論づけています。

増加幅は銀行貸出全体のおよそ0.02%にすぎず、銀行業界が主張してきた預金流出リスクを定量的に否定する内容となっています。

シルザド氏はこの分析結果を踏まえ、銀行業界の預金流出懸念には「根拠が乏しい」と指摘し、主要な対立点は実際のリスクに比べて過度に強調されてきたとの見方を示しました。

こうした分析結果を受け、ステーブルコイン利回りをめぐる政策上の対立は縮小しつつあります。上院銀行委員会は今月中のマークアップ実施を目指しており、委員会審議が予定通り完了すれば法案は本会議採決へと進む見通しです。

停滞5カ月、管轄区分と超党派合意が壁

CLARITY法は、どの仮想通貨資産がSEC(米証券取引委員会)の管轄に属し、どの資産がCFTC(米商品先物取引委員会)の管轄に属するかを法的に定める市場構造法案です。

管轄区分の曖昧さは米国の仮想通貨事業者を長年苦しめてきた核心的な課題であり、新サービスの展開や投資判断において「どの規制当局に従うべきか」の基準が不透明なまま推移してきました。

法案はステーブルコイン利回り規定をめぐる銀行業界との対立に加え、DeFi(分散型金融)やAML(マネーロンダリング対策)規定でも超党派合意の形成が難航し、立法化の機会を繰り返し逃してきた経緯があります。

こうした複数の争点に加え、直近では4月22日に予定されるFRB議長候補ケビン・ウォーシュ氏の指名公聴会が議会日程を圧迫しています。このため、上院銀行委員会によるCLARITY法マークアップは4月最終週以降にずれ込む可能性も指摘されています。

取引所・DeFi開発者に初の法的明確性

CLARITY法が成立すれば、仮想通貨取引所・カストディ業者・DeFiプロトコル開発者は、それぞれが準拠すべき規制当局と基準を初めて法的に確認できるようになります。

その結果、これまでグレーゾーンでの事業継続を余儀なくされてきた企業は、米国市場での新サービス開発や事業判断を進めやすくなる見通しです。

機関投資家にとっても、米国内の仮想通貨資産への投資がどの規制体系に準拠するかが明確になります。そのためコンプライアンス負担の見通しが立てやすくなり、本格参入に向けた判断材料が整うとみられています。

一方で、シルザド氏はFOXビジネスの番組で上院内のグリッドロック(政治的膠着)による遅延リスクにも言及しており、5月本会議投票の実現には依然として一定の不確実性が残ります。

三方から圧力、ティリス氏文書公表が焦点

CLARITY法の立法化をめぐっては、仮想通貨業界・行政府・議会の三方から異例の水準で圧力がかかっており、最終局面に向けた攻勢が続いています。

仮想通貨業界では、Ripple(リップル)CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が上院議員と直接会談してCLARITY法成立を訴えるなど、大手企業が立法化を後押しする動きが相次いでいます。

行政側でも、スコット・ベッセント財務長官が春の立法会期が閉じる前の成立を強く促しており、トランプ政権主導での法案推進が鮮明となっています。

議会側では、妥協案の文書化を主導してきたトム・ティリス上院議員が4月13日、銀行業界と仮想通貨業界の間で調整してきたステーブルコイン利回りの妥協案文書を今週中に公表する意向を示しました。

この文書が公表されれば、上院銀行委員会がマークアップの日程を正式に設定するための基礎資料が整い、立法プロセスが実務段階に移行する見通しです。

今後は、ティリス議員による妥協案文書の公表、4月22日のウォーシュ氏指名公聴会後の日程調整、今月中のマークアップ実施、5月中の本会議採決という順番で議論が進む見通しです。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.24 円)

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Source:FOXビジネス番組
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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