カシオ、時計事業が好調。レトロ&海外需要・“スマートウォッチ疲れ”が追い風に。業績上振れで株価は5年ぶりの高値

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カシオ計算機の時計事業が好調だ。7月31日発表の最新決算(2026年4〜6月期、第1四半期)によると、時計事業の売上高は510億円(前年同期395億円、前年同期比29%増)、営業利益は118億円(前年同期42億円、同181%増)と大きく伸び、全社利益を牽引した。

Trading View提供「カシオ計算機」(6952)株価チャート(6カ月)
Trading View提供「カシオ計算機」(6952)株価チャート(6カ月)

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この勢いは株価にも表れている。8月3日、東京株式市場でカシオ株はストップ高となる前日比400円高の2164円50銭をつけ、約5年4カ月ぶりの高値を記録した時計事業の好調ぶりを裏付ける決算と、業績予想の上方修正を市場が好感した格好だ。

ビジネスシーンでも活躍。注目の3モデル

数あるモデルの中でも、注目を集めている以下の3モデルを紹介する。

機械式ムーブメントを搭載する「EDIFICE」の「EFKシリーズ」は、曲線を生かしたケースにミラーとヘアラインの磨き分けを施した上質な仕上げで、ビジネスシーンでも違和感なく使える一本だ。2025年発売の初代「EFK-100」がグローバルで欠品が出るほどの好評を博した

手頃な価格帯では、スマートフォン連携機能を備えた「ABL-100」がクラシックなデザインと使いやすさで支持を集めている。人気IPとのコラボモデルである「ポケモン」30周年記念の「GA-110PKM」は、発表直後から話題を集めた。

1Qは前年同期比2.5倍の純利益

同社の2026年4〜6月期(第1四半期)の決算は、売上高745億円(前年同期622億円、前年同期比19.8%増)、営業利益128億円(前年同期37億円、同約244%増)、純利益94億円(前年同期37億円、同152%増)と大幅な増収増益となった。

好決算を受け、同社は27年3月期の業績予想を上方修正した。売上高は3000億円(前期比8.6%増)、営業利益は340億円(同47.4%増)、純利益は235億円(同28.9%増)を見込む。

好業績を支えているのは、タフさで勝負する「G-SHOCK」と、上質さで勝負する「CASIO WATCH」。客層の異なる2つのブランドを両輪で走らせる戦略が実を結んだ形だ。ここにHIPHOPグループ「XG」やスケートボーダー堀米雄斗選手など著名人を起用した継続的なアンバサダーマーケティングと、米国関税の還付も追い風となった

レトロ&海外需要が追い風に

なぜ、スマートウォッチ市場が拡大を続ける中でも、カシオの時計事業は着実に伸びているのか。決算説明では、要因として主に3つが挙げられている。

1つ目は「CASIO WATCH」の海外人気だ。カシオは「スマートウオッチ疲れ」や時計本来の価値を見直す市場トレンドを捉えたと説明しており、レトロ・ヴィンテージ人気を追い風に、若年層・女性を中心に北米・欧州・インド・ASEANで支持が広がった。

元々は安価な「チープカシオ」が欧米の若者にSNSで再発見されたのがきっかけで、カシオは「CASIO VINTAGE」として往年のモデルを復刻展開している。

2つ目は中国事業の回復だ。前年同期比+6%と、北米(+22%)・欧州(+24%)に比べ緩やかながらプラス成長に転じた。

3つ目は「G-SHOCK」の販売個数の伸びだ。第1四半期の販売個数は約165万個(前年同期比約10万個増)で、コカ・コーラやポケモンとのコラボモデル、若年層向けの定番モデルが牽引した。

決算の内容と、それを受けた業績予想の上方修正、そして株価の反応という一連の流れは、市場がカシオの成長戦略を評価し始めた表れとも言える。今後もこの動きが続くかどうか、注目される。

※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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