エボラ感染拡大にWHO事務局長が「重大な懸念」 今回の流行を憂慮すべき理由

6 日前 1

(CNN) アフリカのコンゴ民主共和国とウガンダでエボラ出血熱の感染が急拡大している。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は19日、現在の状況について「重大な懸念に値する」との認識を示した。現地では長引く紛争の影響で大量の難民や避難民が発生しており、医療従事者は対応に苦慮している。

テドロス事務局長によると、今回の流行に関連する死者は130人以上、疑いのある症例は500例を超えた。

テドロス氏は17日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。ジュネーブで19日に開かれた緊急会合で、さらなる感染拡大や死者の増加につながり得る懸念材料に言及した。

エボラ出血熱の症例はウガンダの首都カンパラやコンゴ民主共和国のゴマ、ブニアといった「大都市」でも報告されているとテドロス氏は指摘。保健医療従事者の死亡も報告されており、保健医療関連のウイルス感染が起きている兆候があるとの見方を示した。

5月初旬にウイルスが最初に検出されたコンゴ民主共和国北東部のイトゥリ州では、紛争の影響で過去2カ月の間に治安情勢が悪化し、大規模な人口移動が起きているという。「新たに10万人以上が避難を余儀なくされた」とテドロス氏は述べ、エボラが流行している間に人々が移動することで「感染拡大のリスクが高まる」と警告した。

さらに、今回の流行を引き起こしているエボラウイルスのブンディブギョ株には「ワクチンも治療法もない」と指摘した。

コンゴ民主共和国北キブ州ゴマで発生したエボラ出血熱の流行への対応で当局が国立生物医学研究所(INRB)の研究所を訪問した際には、反政府組織「M23」のメンバーが研究所を警備していた=19日/Arlette Bashizi/Reuters
コンゴ民主共和国北キブ州ゴマで発生したエボラ出血熱の流行への対応で当局が国立生物医学研究所(INRB)の研究所を訪問した際には、反政府組織「M23」のメンバーが研究所を警備していた=19日/Arlette Bashizi/Reuters

難民の流入や栄養失調が対策の妨げに

支援団体や保健当局者によると、コンゴ民主共和国では長年の紛争や援助の大幅な削減に加え、深刻な栄養失調が発生している地域もあり、感染が拡大しているイトゥリ州で対策の妨げになっているという。

非営利組織ワールド・ビジョンの担当者によると、イトゥリ州では栄養失調のために人々の免疫力が低下しており、医療機関の受診が極めて困難な地域もある。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は19日、イトゥリ州にいる南スーダンからの難民1万1000人が「予防的支援」を必要としていると報告した。また、反政府勢力が制圧している北キブ州の都市ゴマでも、2000人以上のルワンダ難民とブルンジ難民が衛生用品を必要としているという。

今回の流行については専門家も懸念を強めている。2014年に自身がエボラ感染を経験したクレイグ・スペンサー医師は18日、「間違いなく、我々が現時点で考えているよりも恐らく事態はずっと深刻だ。実際の症例数は、報告されているよりもはるかに多いと推測する」とCNNに語った。

エボラ出血熱予防の一環として、病院に入るすべての訪問者と患者を対象に手洗いと体温測定が行われている様子。幼い少女が病院に入る前に手を洗っている=18日/Jospin Mwisha/AFP/Getty Images
エボラ出血熱予防の一環として、病院に入るすべての訪問者と患者を対象に手洗いと体温測定が行われている様子。幼い少女が病院に入る前に手を洗っている=18日/Jospin Mwisha/AFP/Getty Images

米国務省は19日、米国民に対してコンゴ民主共和国と南スーダン、ウガンダへの渡航自粛を勧告した。ルワンダについても渡航の再考を促している。

同省高官は19日、エボラ対応を支援するためコンゴ民主共和国とウガンダに少人数の災害対策チームを派遣したことを明らかにした。リスクを見極めた上で人員を増やす可能性もあるとしている。

米国のWHOからの脱退や資金削減、米国際開発局(USAID)の解体などがウイルス発見や対応の妨げになったとの見方については、「単なるうそ」として否定した。

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