
イラン情勢が再び緊迫するなか、最高指導者をめぐる動向にも国際社会の関心が集まっています。前最高指導者アリ・ハメネイ師の葬儀で後継者と目されるモジュタバー・ハメネイ氏が姿を見せなかったことから、国内外でさまざまな憶測が広がっているのです。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、葬儀を巡る報道と、それがイラン情勢に与える意味について整理します。
イランの前最高指導者アリ・ハメネイ師の葬儀
米国とイランの停戦協定があっけなく崩壊しました。
ホルムズ海峡でパナマ船籍のタンカーがドローンで攻撃されたことを受け、アメリカがイランに対して空爆を実施したことがきっかけです。
イラン戦争はどうなるのでしょう? 泥沼化するのでしょうか?
これに関して興味深い記事がニィーヨークタイムズ7月10日に掲載されていましたので紹介しましょう。
イランの前最高指導者アリ・ハメネイ師の葬儀が、7月3~9日に行われたのです。その記事です。
記事抜粋
「イランの最高指導者が依然として姿を見せず、政権の頂点に空白が生じる」
モジュタバー・ハメネイ氏は今週、父親の葬儀に姿を見せなかった。これにより、同氏の健康状態をめぐる憶測が飛び交うとともに、分裂状態にある同国に権力の空白が生じている。
イランは、壊滅的な経済状況、不安定な民情、そして全面戦争への回帰という絶え間ない脅威に直面している。
それにもかかわらず、政府のトップには空白が迫っている。イラン国民は依然として最高指導者の姿を直接見たり、その声を直接聞いたりすることを待ち続けている。
モジュタバー・ハメネイ氏は、戦争勃発直後の米・イスラエルによる空爆で父でありアリ・ハメネイ氏が殺害された数日後の3月にこの職に任命された。
しかしそれ以来、公の場に姿を見せていない。
この状況から、攻撃で負傷したハメネイ氏の健康状態だけでなく、国にとって極めて重要なこの時期に、彼が本当にイランを率いているのかどうかを疑問視する声も上がっている。
今週、父親の葬儀の席で、イランおよび世界はモジュタバー・ハメネイ氏の姿を初めて目にするのではないかという期待もあった。
しかし式典は彼が姿を見せることなく終了した。
最高指導者は、イラン軍の指揮、司法長官や各種要職の人事決定、戦争と平和の宣言、その他の重要な指導的機能を担っている。
神権政治と共和制の要素が混在するイランの体制において、この職は究極の権威を握っている。
強力な中央権威がいない状況下では、最終的にどの派閥が優位に立つのか、その行方はさらに予測不能なものとなっている。
解説
現イランの最高指導者と思われているモジュタバー・ハメネイ氏。
父親の葬儀に参加しませんでした。
暗殺を恐れてなのか、健康状態のためか、それともすでに死亡しているのか、それはわかりません。
米国および西側諸国にとって、それは大きな意味をもちます。
イランを統一する最高指導者がいないと交渉ができないからです。
この葬儀で、モジュタバー・ハメネイ氏がイランの最高指導者である可能性が低くなりました。
それはイラン戦争が泥沼化する可能性が高まったと言うことでもあります。
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ
image by: Press Connect / Shutterstock.com
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