ウクライナのパトリオット用迎撃ミサイルが枯渇、一段と無防備に トランプ氏との対立深まる中 CNN EXCLUSIVE

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キーウ(CNN) ウクライナが米国製防空システム「パトリオット」の迎撃ミサイルを使い果たし、ロシアの弾道ミサイル攻撃に対して一段と無防備になっていることが分かった。事情に詳しい情報筋が15日、CNNに明らかにした。

深刻な事態が明らかになったのは、トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が公の場で対立を深める最中のことだ。米政権はこのところ、ロシア産ディーゼル燃料(軽油)を輸入する合意を結んで大きな批判を浴びる一方、ウクライナに対してはロシアの石油関連施設への攻撃をやめるよう圧力を強めている。

ゼレンスキー氏はトランプ氏がロシアのプーチン大統領と結んだ合意について、裏切られたと感じているとコメント。ロシアの製油所への攻撃を続ける方針を表明した。

ゼレンスキー氏は何カ月も前から繰り返し、米国製のパトリオット用迎撃ミサイルが枯渇しかけていると警鐘を鳴らしてきた。パトリオットは、弾道ミサイルを撃ち落とせる数少ない防空兵器の一つに数えられる。

しかし迎撃ミサイルは高価で、世界的に供給不足の状態にある。イランとの戦争が続く中、他国が在庫を大量に消費したり、自国の防空体制の強化を試みたりしているためだ。

情報筋はCNNに対し、「(迎撃)ミサイルが不足しているせいで、直近の攻撃では弾道ミサイルをほぼ迎撃できずに終わった」と語った。

14日早朝のロシアによるミサイル攻撃を受け、ウクライナの緊急対応部隊が火災を消し止めた=キーウ(Reuters)

14日朝にかけての攻撃では、ロシアの弾道ミサイルがウクライナの首都キーウの発電所3カ所に着弾。北東部ハルキウでもエネルギー関連施設が標的となった。この日の攻撃でキーウでは4人が死亡、25人が負傷した。

ウクライナ空軍は先の発表で、この攻撃への防衛でロシアの弾道ミサイル4発を迎撃したと明らかにしていた。残っていたわずかなパトリオット用ミサイルを使い切った可能性がある。

ウクライナがパトリオット迎撃ミサイルを完全に使い果たしたのは、今回が初めてではないとみられる。ゼレンスキー氏はこれまでも公の場で、迎撃ミサイルの在庫確保に絶えず苦慮している状況を訴えてきた。

CNNは8月中旬、ウクライナに配備されたパトリオットの取材をメディアで初めて許可された。当時、ウクライナの当局者は迎撃ミサイルがほぼ底をついていると明かしていた。

ゼレンスキー氏は8月のCNNの取材に、パトリオットの追加供与に向けた合意を取り付けるため、支援国との「何百万回」もの電話協議を行っていると説明。ウクライナの手元にある迎撃ミサイルは、緊急に必要とする量の10分の1にすぎないと訴えた。

その1カ月後、ゼレンスキー氏は米国から「パトリオット用ミサイルの製造ライセンスを取得する」と主張し、楽観的な姿勢を見せた。しかしトランプ氏は結局、これに応じるか明言せず、ライセンス供与が実現することはなかった。

ゼレンスキー氏とトランプ氏の間ではここ数日、対立が一気に表面化している。ロシアがウクライナのエネルギーインフラに激しい攻撃を続けている状況にもかかわらず、米国はウクライナにロシアの燃料施設への攻撃停止を要求しているためだ。

ゼレンスキー氏は英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューに強い口調で答え、ロシアのエネルギー施設への攻撃停止に応じる条件として、パトリオット迎撃ミサイルの追加供与は「最低限」のラインだと説明。「防空能力の強化を求めたところ、米国側の対応は(通信衛星網)スターリンクのサービスを制限させることだった」と指摘した。

ゼレンスキー氏は14日に公表した声明でも、迎撃ミサイルの追加供与を要請した。「米国の大統領は力と正義、侵略者への圧力を通じて和平をたぐり寄せるために必要な全ての有効な手段を持っている。我々はウクライナへのパトリオット迎撃ミサイルの追加供与を求める」

ウクライナで放置されているパトリオット発射機(CNN)

米中間選挙を前に、トランプ氏は世界的な軽油価格の上昇について、ロシアとウクライナの戦争が原因だと非難する姿勢を強めている。だが、燃料価格高騰の要因としてより重要なのは、イランとの戦争だ。

欧州の当局者2人がCNNに語ったところによると、トランプ政権は今週、ウクライナがロシア国内奥深くのエネルギー施設への攻撃をやめなければ、欧州諸国によるウクライナ向け米国製兵器の購入や、ウクライナへの情報共有を停止する可能性があると警告した。米国務省と国防総省からの警告は先週末にウクライナと欧州の当局者に伝えられ、米軍からウクライナ軍の指揮官に直接伝えられたものもあった。

トランプ氏はその後、米国はウクライナへの情報共有を停止していないと主張している。

トランプ政権が仮に、「ウクライナの優先必要品リスト(PURL)」と呼ばれる仕組みを通じた欧州諸国による米国製兵器の購入を停止することに決めれば、弾道ミサイル防衛に使うパトリオット用迎撃ミサイルの今後の供給が危ぶまれる。

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