インスタントラーメン、「体に悪い」と言われても世界中で愛され続ける理由

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(CNN) 健康志向のパートナーが、出張で留守になった夜の食事。人気アニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」に登場する、主人公たちの大好物。ある時は疲れて帰宅したシェフたちの空腹を満たし、またある時は恋人に婚約指輪を買うための倹約生活を支える。

世界中の人々にとって、インスタントラーメン(即席麺)ほどユニークな食べ物はあまりない。一方ではごほうびのジャンクフードとして、また一方では頼りになる主食として、重宝されている。

インスタントラーメンが健康的でないというのは公然の秘密だ。認知症や心臓病、ホルモンバランスの乱れなどのリスクを高めるという研究が、折に触れて発表される。それに驚く人はほとんどいない。

にもかかわらず、自然派志向や菜食主義が広がる現代の世界で、今なおインスタントラーメン市場の大きな成長が見込まれていることは驚嘆に値する。数々の統計によると、世界の業界規模は昨年の646億7000万ドル(約10兆4000億円)から、2032年には984億6000万ドル(約15兆1000億円)まで膨らむ見通しだ。

その人気の理由は「依存性」にあるというのが、科学者らの手っ取り早い説明だ。

超加工食品の研究者によれば、カロリー密度(食品1グラムあたりのカロリー)や塩、砂糖、脂質、炭水化物の組み合わせが生み出す嗜好(しこう)性が高いために、食べ出すと止まらなくなるという。

だが一方で、メーカー側は別の理由を示す。

日清食品グループの担当者は、インスタントラーメンが「ほっとする食品」を意味する「コンフォートフード」として世界で広く支持されてきた理由について、人々が食べ物に求める普遍的な価値、つまりおいしさと便利さ、保存性、手ごろな価格、そして安全を提供できるからだと説明した。これは、インスタントラーメンの生みの親とされる同社の創業者、安東百福氏が掲げた開発の5原則だ。

安藤百福氏の自宅の庭にあった木造小屋を再現した建物。横浜の「カップヌードルミュージアム」に展示されている/Nissin Foods Holdings
安藤百福氏の自宅の庭にあった木造小屋を再現した建物。横浜の「カップヌードルミュージアム」に展示されている/Nissin Foods Holdings

話は1950年代の大阪、安東氏の質素な木造小屋にさかのぼる。

同氏は戦後の深刻な食糧難を目の当たりにして、この5原則を満たす食品の開発に熱中した。

そして58年、何カ月間も試行錯誤を重ねた末に、妻が天ぷらを揚げるのを見てひらめいた。

麺を高温でさっと揚げると水分が急激に蒸発し、お湯ですぐに戻る食品ができることに気づいたのだ。

同氏はこれを「チキンラーメン」と名づけた。世界初のインスタントラーメンの誕生だ。

日清食品は71年、初のカップ麺を発売した。この発明はすぐに国境を越えて広がり、同社は翌年、米カリフォルニア州に初の海外工場を開設した。

世界でのインスタントラーメンの需要は現在、史上最大の年間1230億食に達している。

横浜のカップヌードルミュージアムに展示されているパッケージ/Franck Robichon/EPA-EFE/Shutterstock
横浜のカップヌードルミュージアムに展示されているパッケージ/Franck Robichon/EPA-EFE/Shutterstock

最新のデータによると、最大の消費国は中国で、年間約438億200万食。これにインドネシアの146億8000万食、インドの83億2000万食が続く。

ただし国民1人あたりの年間消費量は、ベトナムが平均81食でトップに立つ。2位は韓国の79食、3位はタイの58食だ。

一方で米国のインスタントラーメン市場も年々拡大し、24年には51億5000万食で世界6位に立った。アジア風のスパイシーな味への需要が高まり続けているという背景がある。

業界団体「世界ラーメン協会(WINA)」によると、現地の食習慣を反映し、スプーンやフォークで食べやすいよう麺を短くした商品も広がり始めているという。

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