(CNN) 花崗(かこう)岩の下に埋まったイランの核施設と疑われる場所で、米国との戦争が勃発した今年、建設工事が活発化していることが分かった。6年分の衛星画像を分析したアナリストグループが明らかにした。
イランの首都テヘランの南約225キロに位置するナタンツ核施設近郊のこの場所は、「ピックアックス山」と呼ばれる。イランは将来の核開発計画を遂行するための拠点としてここを利用する可能性が高く、情報機関の間では常に議論の的となっている。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)がCNNに独占的に提供した衛星画像分析によると、今年に入って「建設活動が明らかに急増している」という。
CSISのアナリストらはこの地下施設について、イランの核開発計画を進める安全な避難場所として設計された公算が大きいと述べている。
イスラエル情報機関は、イランがウラン濃縮の一環として遠心分離機をこの場所に移設しようとしている可能性があると示唆。トランプ米大統領は再三この施設を攻撃すると警告している。
トランプ氏は先週、記者団に対し「ピックアックスを近いうちに攻撃するかもしれない」と述べ、「同施設で活動している者全員を把握している」と付け加えた。
しかし、CSISの報告によると、この花崗岩の山は国防総省の「最も強力な非核爆弾」でさえも攻撃が困難な標的となっている。しかも現行兵器での攻撃が困難なイランの核施設はピックアックスだけではない。
ただ米国がこれらの施設を攻撃する何らかの手段を確立しようとしている兆候は確認できる。
米国が今年2月末、イスラエルと共同でイランへの攻撃作戦を開始する4日前、国防総省内のあまり知られていない機関で大量破壊兵器対策を担当するプログラムマネジャーが、ニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル射場にある「特殊な地下試験施設」を修復するための120万ドル(現在のレートで約1億8400万円)規模の緊急契約を承認した。修復は「急速に出現する脅威に対する極秘戦力の検証を目的とした実弾射撃試験」を念頭に置いたものだという。
国防脅威削減局(DTRA)が提供した承認文書は、作戦開始前日の2月27日に連邦政府のデータベースにアップロードされた。
この試験計画はイランとの紛争に関連していると、事情に詳しい3人の情報筋がCNNに語った。米国はイランの地下深くに埋設された施設を標的とする手段の開発、そしておそらくは特定の核施設に対する攻撃をシミュレーションする必要があったとこれらの情報筋はみている。
CNNが入手した衛星画像によると、2月16日から18日にかけて、上記のホワイトサンズに位置する施設では掘削作業が開始されていた。環境アセスメントによれば、DTRAが運営するこの試験場も、ピックアックス山と同様に花崗岩を掘削して作られている。
CNNは、実際に試験が行われたかどうかを独自に確認することはできず、衛星画像に写った掘削作業の目的も明らかにできなかった。国防総省はCNNからの質問に現時点で回答していない。当該の契約を獲得した建設業者もCNNの電話取材に応じなかった。
事情に詳しい情報筋によると、米軍はピックアックスへの攻撃計画を維持しており、それは今夏初めに策定された攻撃の標的にも盛り込まれていた。実際の攻撃には、米軍が保有する最大級の爆弾が使用される見通しだが、それらの兵器がイラン側の標的を破壊するのに十分な深さまで地下を貫通できるかどうかは依然として不明だと、情報筋は付け加えた。
CSISのアナリストらは今回の報告書の中で、ピックアックスの建設状況について「活発な掘削作業から、おそらくは内部の建設と継続的な外部の補強へ移行している」と指摘。今年に入ってからは「これまで以上に多くの道路工事」が行われており、追加工事には「(トンネル)坑口アクセス部の嵩(かさ)上げと強化、内部道路網の舗装、アクセスエリア周辺の補強、トンネル建設中に掘削された土砂の整地と除去」などが含まれていると報告書は述べている。
その上でCSISのアナリストらは、ピックアックスで観察された「継続的な建設工事」に関して、他の要因と併せ、同施設には「まだウランの濃縮作業を行う能力が備わっていない」ことが示唆されると警告した。

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