アーサー王の「未知の」写本が競売に、700年間一般公開されず 4.3億円で落札も

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(CNN) アーサー王とマーリンの物語の初期版を収めた中世の写本が、この夏競売にかけられる。約700年にわたり複数の個人の手元を渡り歩いた希少な品とみられる。

最大270万ドル(約4億3000万円)での落札が見込まれるこの彩飾写本は、1290年から1310年までの間に書かれた。アーサー王と聖杯探求の伝説を記す書物としては最古級の部類に入る。7月に競売会社のクリスティーズが開催する「貴重書籍・写本オークション」の目玉となる一品だ。

写本に書かれた古フランス語のテキストは「ランスロ=聖杯サイクル(流布本サイクル)」として知られる内容。写本の予想落札価格は150万~200万ポンド(約3億2000万~約4億3000万円)となっている。

羊皮紙を使用し、金箔(きんぱく)で装飾を施したこの写本には、126点の「豪華な挿絵」も描かれている。クリスティーズの中世・ルネサンス写本部門を統括するエウジェニオ・ドナドーニ氏が明らかにした。挿絵が描く伝説を下敷きに、これまで数え切れないほどの書籍や映画、学術的議論が生み出されてきた。

その中には、魔法使いマーリンがさまざまな姿に変身する場面や、アーサー王と騎士たちの物語にまつわる挿絵も含まれる。

大きな鹿に姿を変えた魔法使いマーリンを描いた挿絵/Christie's Images Ltd. 2026
大きな鹿に姿を変えた魔法使いマーリンを描いた挿絵/Christie's Images Ltd. 2026

競売会社によれば、この写本はこれまで一般公開されたことがなく、本格的な詳細研究もほとんど行われていないという。

ドナドーニ氏はCNNへの電子メールで、これは「事実上未知の」写本であり、競売にかけられれば大きな関心を集める可能性が高いと語った。

「再発見されたこの写本は、中世騎士道物語の最高傑作の一つだ。聖杯に魔法使いマーリン、若きアーサー王と円卓の騎士たちの物語は、西洋文化の根幹を成すものに他ならない」とドナドーニ氏は説明。さらにこの種の写本は個人所有のものが3点しかなく、その中でもこれは最古の年代に属すると付け加えた。

写本の装丁は17世紀のもの。緑色のベルベットと金の装飾を用いている/Christie's Images Ltd. 2026
写本の装丁は17世紀のもの。緑色のベルベットと金の装飾を用いている/Christie's Images Ltd. 2026

ドナドーニ氏によると、競売会社が把握する写本の出所の詳細から、これまでの所有者たちの長い系譜が明らかになったという。

具体的には15世紀の騎士や馬上槍試合の競技者、「極度の中世マニア」、そして20世紀の実業家ジャン・ルボーディといった人物がそこに含まれる。ルボーディは「両世界大戦での英雄的行為」により、二つの「クロワ・ド・ゲール勲章」を授与されている。

1290年から1310年の間に書かれたこの写本は、アーサー王の伝説を記録した最古の書物の一つと目されている/Christie's Images Ltd. 2026
1290年から1310年の間に書かれたこの写本は、アーサー王の伝説を記録した最古の書物の一つと目されている/Christie's Images Ltd. 2026

今回写本を売りに出した人物の身元は明かされていないものの、ドナドーニ氏はCNNに対し、「長年にわたる個人のコレクション」から出品されたと述べた。

この写本は歴史や美術史、文学、キリスト教的文化といった非常に魅力的な側面を数多く備えているとドナドーニ氏。「これほど希少で質の高い写本に携わることができたのは光栄だった。ここに記された物語は普遍的であり、研究や楽しみという点で今なお多くのものを提供してくれる。本文中でマーリン自身が予言しているように、『世界が続く限り永遠に語り継がれ、喜んで聞かれることになる物語』だ」と言い添えた。

競売は7月8日、ロンドンのクリスティーズで行われる予定。

原文タイトル:King Arthur manuscript in private hands for 700 years goes on sale - for a huge price(抄訳)

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