(CNN) 記者の朝のルーティンに欠かせないのが、心を落ち着かせながらもエネルギーを与えてくれる緑茶2杯だ。
お茶は飲んで楽しめるだけでなく、心臓病や脳卒中、認知症のリスク低減といった健康増進効果があることが以前から指摘されてきた。そして今回、21日に医学誌「ジャーナル・オブ・インターナル・メディシン」に発表された新たな研究で、お茶の淹(い)れ方や飲み方も心臓や血管の健康に影響する可能性が示された。
研究チームが平均約9年間にわたって追跡調査したところ、心臓発作や脳卒中、末梢動脈疾患(腕や脚に血液を送る動脈が狭くなる病気)など、心臓や血管に関わる病気が1万4800件以上確認された。
研究チームが分析対象としたのは、中国の30~79歳の成人48万5000人以上のデータ。参加者には、お茶を飲む頻度や好みの種類、濃さ、熱さなど、喫茶にまつわる日頃の習慣を申告してもらった。
研究結果やそれが心臓の健康にとって持つ意味を理解するため、記者はCNNのウェルネス専門家、リアナ・ウェン医師に話を聞いた。ウェン氏は救急医で、米ジョージ・ワシントン大学の臨床准教授を務める。以前はメリーランド州ボルティモア市の保健局長を務めていた。
CNN:お茶の摂取と心血管疾患について、今回の研究からどういったことが分かったのか?
ウェン氏:大きな結果の一つは、少なくとも週3日お茶を飲む人は飲む頻度が低い人に比べ、血管疾患を発症するリスクが11%ほど低かったことだ。年齢や喫煙、身体活動、体重、持病といった要因を考慮しても、この傾向が認められたが、日常的にお茶を飲む活動量の多い非喫煙者では、心血管疾患のリスクが最も低くなっていた。
もう一つ興味深い結果は、適度な濃さのお茶を飲むことがリスクの低下と関連していた点だ。緑茶よりも紅茶の方が、より多くの心血管疾患でリスク低下が認められた。おそらく最も意外なのは、「やけどするほど熱い」お茶を飲むと答えた人は日常的にお茶を飲まない人に比べ、血管疾患のリスクが16%高かった点だろう。これとは対照的に、常温のお茶や、熱いがやけどするほどではない温度で飲む人は、日常的にお茶を飲まない人に比べリスクが大幅に低くなっていた。
ただし、今回の研究方法には限界もある。お茶を飲むときの好みの温度は研究者が客観的に測定したものではなく、参加者の自己申告に基づいている。ある人が「やけどするほど熱い」と感じても、別の人の定義とは相当異なるかもしれない。焼けるように熱いお茶を好む人は、食習慣など、心血管疾患のリスクに影響する他のライフスタイルにも違いがある可能性がある。研究チームがそうした要因を十分に考慮できていない可能性もある。
CNN:お茶を飲むことは心臓の健康にどういった効果があるのか?
ウェン氏:お茶には「ポリフェノール」と呼ばれる天然化合物が含有されており、抗酸化作用や抗炎症作用がある。「フラボノイド」もその一種だ。こうした化合物が血管の内側の細胞を保護し、動脈が緩んで広がる能力を高めてくれるのかもしれない。そのおかげで血圧が下がり、心臓への負担が減るのだろう。
お茶を飲むことで、血圧やコレステロール値など心血管の健康指標がある程度、改善することを確認した研究もある。こうした効果を手がかりに、日常的にお茶を飲む人は脳卒中や心臓発作、他の深刻な心血管疾患を発症する割合が低い理由を説明できるかもしれない。
CNN:紅茶か緑茶かといったお茶の種類で効果に違いはあるのか?
ウェン氏:紅茶も緑茶も原料はチャノキという同じ植物だが、茶葉の加工方法が異なるため、含まれるポリフェノールの組成に違いが出る。これまでの研究で、どちらのお茶にも効果があることが分かっている。今回の研究では、緑茶にも効果が見られたものの、紅茶の方がより一貫して心血管リスクの低下との関連が認められた。
私としては、緑茶が好きな人に紅茶へ切り替えるよう勧めたり、その逆を勧めたりするつもりはない。どちらも心臓に良い食生活の一部になり得る。特に、砂糖を加えずに飲むことが大切だ。
CNN:お茶はどのくらい飲むべきなのか? 飲み過ぎということはあるのか?
ウェン氏:少なくとも週1回お茶を飲む参加者のうち、血管疾患の推定リスクが最も低かったのは、1日におよそ6~8杯飲む人だった。この回数を超えて大量に摂取した場合、再びリスクが上昇し始めた。
誰もが1日6~8杯のお茶を飲むことを目標にすべきだという意味ではない。実際、今回の研究結果を自分の習慣に当てはめる際には、さまざまな理由から注意が必要になる。例えば、今回の研究ではカップの大きさが統一されておらず、摂取量の推定は参加者の自己申告に基づいている。論文の著者自身、この結果を推奨される最適な摂取量と解釈しないよう、明確に注意を促している。
注意が必要なもう一つの理由は、お茶にもカフェインが含まれていることだ。紅茶1杯(約240ミリリットル)には通常、約30~50ミリグラムのカフェインが含まれている。緑茶は一般にそれより少ないものの、カフェインを含まないと明記されていない限り、ほとんどの緑茶にはカフェインが含有されている。米食品医薬品局(FDA)は1日400ミリグラムというカフェイン摂取量について、普通なら危険な影響を伴わない量との見方を示している。妊娠中の女性は1日200ミリグラム以下に抑えることが推奨されており、子どもはカフェインを含む飲料を摂取すべきではない。
CNN:日常的にお茶を飲んでいる人や、これから食生活に取り入れようと考えている人への助言は?
ウェン氏:現実問題として、口や喉(のど)をやけどするほど熱いお茶は避けるべきだ。非常に熱い飲み物を繰り返し飲む習慣は、食道がんのリスク上昇とも関連している。無理なく口に含める温度までお茶を冷ませば、やけどを防げるだけでなく、心血管への健康効果も損なわずに済む可能性がある。
それぞれの好みに合わせ、無糖の紅茶や緑茶などを選んでもいい。1日の総カフェイン摂取量にも気を配る必要がある。特に、睡眠障害や不安感、動悸(どうき)のある人は注意が必要だ。
現時点でお茶を飲む習慣がない人が、無理に飲み始める必要はない。心血管疾患のリスクを下げるには、ほかにも証拠に裏付けられた方法が数多くある。定期的に体を動かすこと、喫煙を避けること、血圧やコレステロール値を健康的な範囲に保つこと、栄養価の高い食事をすることなどだ。

1 日前
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