米陸軍司令官「技術革新は戦闘の一部」 ウクライナとイランから教訓

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2019年7月15日、ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で行われた「メイド・イン・アメリカ」展示会で、高高度防衛ミサイル防衛システム(THAAD)が展示された。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

2019年7月15日、ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で行われた「メイド・イン・アメリカ」展示会で、高高度防衛ミサイル防衛システム(THAAD)が展示された。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

By John T. Seward and Guy Taylor – The Washington Times – Wednesday, August 12, 2026

 【ハンツビル(米アラバマ州)】急速な技術革新は、米軍の中でも特に高度な技術を扱う部隊に大きな新たな優位性をもたらす一方、長期的な計画立案を難しくしている。これらの部隊は、イラン、ロシア、中国、北朝鮮などの敵対勢力が急速に開発を進めているミサイルや非対称型の脅威に先回りして対応することを目指している。

 米陸軍宇宙ミサイル防衛司令部(SMDC)のジョン・ラファティー司令官(中将)は12日、アラバマ州ハンツビルで開催されている「宇宙・ミサイル防衛シンポジウム」に合わせ、ワシントン・タイムズ紙の独占インタビューに応じ、こうした認識を示した。

 ラファティー氏は「今は非常に難しい時期だ」と述べた。4月、ハンツビルの広大なレッドストーン兵器廠を拠点とするSMDCの指揮を引き継いだ。「今見えているものばかりに目を向け続けることはできない。技術革新のペースがあまりにも速いからだ。あす、あさってがどうなっているかを常に見る必要がある」

 発言の背景には、米陸軍が民間の防衛産業と緊密に連携して人工知能(AI)を組み込んだ新たなデジタル通信システムを開発する一方、トランプ政権が宇宙配備型の「米国のためのゴールデンドーム」構想を通じ、未来型のミサイル防衛技術への転換を推進しているという事情がある。

 ラファティー氏は、世界各地で続く紛争が、米軍が技術革新を取り入れなければならない理由を学ぶ重要な場になっていると指摘。ロシアによるウクライナ侵攻に触れ、ウクライナの防衛産業と前線の部隊との緊密な連携を「刺激的」と評価した。

 「ウクライナ人はロシアとの戦いを続ける中で、その重要性をはっきりと見せてくれた。そして現在、中東でのイランとの紛争でも、米軍自身がリアルタイムで同じことを目の当たりにしている」とラファティー氏は述べた。

 「技術革新が今や戦闘の一部になっていることは誰の目からも明らかだ。軽視してはならないし、5年後、10年後を見ていては遅すぎる。来週、来月、来年に何が起きるかを見据えて進めなければならない」

 今週ハンツビルに集まった米軍幹部らは、ウクライナとイランでの紛争に繰り返し言及。ロシアとイランのミサイル能力や、長期戦でも枯渇しない弾薬備蓄を挙げ、米国も将来型のミサイル防衛への転換と再構築を進める必要があると強調した。

 ラファティー氏の12日の発言は、宇宙軍大将で、ゴールデンドーム構想の責任者でもあるマイケル・ゲトライン氏が前日に当地で行った講演での発言とも重なる。

 同氏は「脅威とは何か。イランとウクライナで起きている紛争を、われわれは毎日テレビで目にしている。敵対勢力は通常兵器と、それを大量生産できる生産ラインを構築してきた。そして、それらが有効であることを証明した」

 さらに「大洋はこれまでずっとわれわれを守ってくれてきた。だが、もはや大洋は聖域ではない」と述べた。

 この発言は「宇宙・ミサイル防衛シンポジウム」に重い空気をもたらした。会場では兵器産業関係者の間で、イランとウクライナでの戦争が米国のミサイル防衛用弾薬に及ぼしている影響について、非公式の議論が活発に交わされていた。

 戦略国際問題研究所(CSIS)が先月まとめた分析によると、イランとの紛争が2月に始まって以降、米国の防空ミサイルの備蓄について、「パトリオット」は3分の2に、「高高度防衛ミサイル(THAAD)」は半分に減少した。

 ここ数週間、国防総省は備蓄を補充・拡充するため、米国の主要防衛企業と数十億ドル規模の契約を相次いで発表してきた。

 こうした補充にかかる費用が、急速に進化する新型ミサイル防衛技術への資金を圧迫するのではないかとの懸念もある。中国とロシアは、政府、学術界、産業界の3者を連携させ、宇宙配備型兵器や低コストのミサイル、革新的なドローンへの投資を進めているとみられており、こうした状況が両国に利用される恐れがある。

 ラファティー氏はワシントン・タイムズに「われわれはリアルタイムで革新できなければならない。そのためには、科学技術分野や産業界のパートナーとの関わり方を大きく変える必要がある。彼らを本当の意味でチームメートと見なさなければならない。同じチームの一員でなければならない。単なる取引関係のパートナーであってはならない」と語った。

 また、現状に満足してしまうことの危険性にも警鐘を鳴らした。

 「敵対勢力はかなり前からわれわれについて研究を始めていた。そして、彼らにとっての非対称的な優位性は何なのかを考えてきた。長距離ロケットやミサイル、高度な防空システムに多額の投資をすることで、われわれの地域へのアクセスを脅かし、機動力を奪おうとしている」

 「それを克服することが極めて重要だ」

 ラファティー氏の指揮下にある既存のミサイル防衛システムは、政府で続けられている予算を巡る論争の焦点となっている。国防総省が重要な弾薬のために発注を予定している複数の大規模なミサイル関連生産契約は、米議会の2027会計年度予算案で、まだ承認されていない。

 バージニア州に拠点を置くAIデータ分析企業オブビアントがワシントン・タイムズのために作成したデータ分析によると、トランプ政権が要求した予算の86%は、なお調整待ちだという。

 予算のかなりの部分は、長年「ロケットシティー」の愛称で呼ばれてきたハンツビルでの事業に充てられる予定だ。ハンツビルは宇宙開発とミサイル開発で長い歴史を持つ。広さ3万8000エーカー(約150平方キロ)の連邦政府施設であるレッドストーン兵器廠に加え、ミサイル防衛開発分野の多数の国防総省契約企業が拠点を置いている。

 ラファティー氏は「ここ、ハンツビル、マディソン、北アラバマ地域にレッドストーン兵器廠があることには、何か特別なものがある。軍、政府、民間防衛産業が見事に融合しており、科学技術、試作、将来の戦い方を考える構想開発など、あらゆる分野で、この業界の最高の人材を引き付けている」と述べた。

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