
この記事の要点
- 米SBRの法的整備が完了、近く正式発表とホワイトハウス顧問が明言
- 米国がビットコインを国家準備資産化へ、市場制度化が加速
SBR正式発表へ前進、ウィット氏「ブレイクスルー」明言
ホワイトハウスのデジタル資産担当顧問パトリック・ウィット氏は、2026年5月18日に公開されたインタビューで、米国の戦略的ビットコイン準備(SBR)に関する正式発表が近く実施される見通しであることを明らかにしました。
同氏は「発表は行われる。今は多くを語れないが、すべてを法的に妥当な形で整え、資産を適切に保全するという点でブレイクスルーがあった」と述べ、SBRの制度設計が最終調整段階に入ったとの認識を示しています。
ウィット氏は2026年4月にラスベガスで開催された「Bitcoin 2026」カンファレンスでも数週間以内の続報を予告しており、政権内部で進められてきた法務・保全体制の整備が最終局面に差しかかっていることを示唆しました。
SBRは2025年3月6日にドナルド・トランプ大統領が署名した大統領令によって設立されており、財務省が保有するビットコインを売却せず、長期的な準備資産として維持する内容が盛り込まれています。
正式発表が行われれば、米国はビットコイン(BTC)を戦略資産として制度的に位置づけた最初の主要国として、機関投資家・各国政府の判断材料となる枠組みを公式に示すことになります。
国家資産としてのBTC保有を宣言
SBR制度設計の舞台裏、328,372BTC保全と立法化の論点
大統領令は「号砲」、省庁横断で法解釈を積み上げ
ウィット氏は、SBRの正式発表までに時間を要した理由として、各省庁で進められてきた法的根拠の整理やリーガルメモの作成、さらにカストディ体制の構築など、大規模な実務調整が続いていたことを明らかにしました。
同氏によると、大統領令はあくまで「スタートの号砲」に過ぎず、各機関がどの権限でビットコインを保有・管理できるのかについて、法解釈を一つずつ整理していく必要があったと説明しています。
省庁横断の実務調整は、副事務局長のハリー・ジョン氏が主導し、スティーブン・ミラー大統領副首席補佐官(政策担当)のチームと連携しながら、各省庁との調整を進めてきたといいます。
SBRには、シルクロード事件や2016年のBitfinexハック資金回収、さらに複数の刑事没収を通じて取得されたビットコインが組み入れられる見通しです。
保有規模は推定328,372 BTC(252.7億ドル/4兆円相当)に達し、世界供給量の約1.6%に相当すると報じられています。
USMSから4,600万ドル流出、保全体制の急務が露呈
こうした大規模資産の保全体制整備を急ぐ背景として、ウィット氏は米マーシャル・サービス(USMS)で発生した仮想通貨盗難事件を例に挙げました。
政府委託業者のジョン・ダギタ容疑者は2025年後半にUSMSのカストディ口座から4,600万ドル(約73.1億円)超の仮想通貨を不正に持ち出したとされ、2026年3月にFBIによって逮捕されました。
さらに、2024年10月にも2,400万ドル(約38.1億円)規模の盗難が発生していたと報じられており、政府保有デジタル資産の管理体制に課題が残されていた実態が浮き彫りとなりました。
ウィット氏は一連の事件について「大統領がSBRを設立することがなぜ必要だったのか、その理由を示す好例だ」と述べ、政府が保有するデジタル資産の管理体制が、金(ゴールド)を前提とした既存インフラでは対応できないとの見解を示しています。
「年間20万BTC購入」ARMA法案、SBRの恒久化狙う
またウィット氏は、SBRが大統領令ベースで運用されている以上、政権交代によって撤回される可能性を常に抱えている点にも言及しました。
同氏は「トランプからバイデン、バイデンからトランプへの政権交代で多くの大統領令が覆された通り、可逆性は非常に高い」と説明し、SBRを法律として恒久化する必要性を訴えています。
こうした状況を受け、上院ではシンシア・ルミス議員が提出した「BITCOIN法案」の審議が進められているほか、下院ではニック・ベジッチ議員が同法案を「米国準備近代化法案(ARMA)」として再構成し、近く議会へ提出する方針を明らかにしています。
ARMA法案は財務省に対して5年間にわたり年間最大20万BTCの購入を認め、取得後20年間は売却を禁止する内容で、法案成立時の最初の公開市場購入は2026年第4四半期と見込まれています。
国家BTC準備金の恒久化へ
CLARITY法案も「9割合意」、米国制度化の行方注視
こうした立法化の議論と並行して、米国では仮想通貨市場構造法案である「CLARITY法案」の審議も進んでおり、ウィット氏は同法案について「実質面では約9割の論点で合意に達した」との見解を示しました。
SBRの正式発表と市場構造法制の整備が並行して進めば、各国の規制当局や金融機関が、米国の制度設計を基準のひとつとして参照する流れが一段と強まる可能性があります。
ホワイトハウスによるSBR正式発表の時期と、5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過したCLARITY法案の本会議審議の行方に、市場関係者の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.92 円)
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Source:パトリック・ウィット氏インタビュー
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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