
この記事の要点
- 米SEC委員が仮想通貨プライバシー技術を「金融インフラの正当な要素」と擁護
- EUが2027年にプライバシーコインを規制する方針を打ち出す中、米国では保護論が拡大
ピアース委員「プライバシー技術は金融インフラ」
米SEC(米証券取引委員会)のヘスター・ピアース委員は2026年5月27日、ジョージタウン大学ロースクールで行われた講演で、仮想通貨(暗号資産)分野で活用が進むプライバシー強化技術について、金融インフラの正当な構成要素だとの見解を示しました。
同委員は「政府による犯罪捜査と、市民による金融情報を含む個人データの保護は両立できる」と指摘したうえで、プライバシー保護を国家安全保障と対立する概念として捉えるべきではないとの立場を示しています。
また、本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)の要件を満たせるプライバシー技術について、SECの仮想通貨タスクフォースと開発者側が対話を進める必要性にも言及しました。
プライバシー技術を巡っては、EU(欧州連合)が匿名性の高いサービスやプライバシーコインへの規制強化を進める一方、米国では規制当局の内部からも利用者保護を重視する声が上がっており、対応方針の違いが欧米の議論にも表れています。
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EU規制強化と米国保護論、岐路に立つ仮想通貨
EU、匿名口座・プライバシーコインに規制の鉄槌
取引データや利用者情報の秘匿を重視するプライバシー技術は、モネロ(XMR)やジーキャッシュ(ZEC)などのプライバシー系プロジェクトとともに発展してきました。
こうした技術が再び規制をめぐる議論の的となっている背景には、EU(欧州連合)が2027年に施行を予定する新たなマネーロンダリング対策規制があります。
同規制では、金融機関や仮想通貨事業者による匿名口座の提供や、取引の秘匿性を高めるプライバシーコインの取り扱いが制限される見通しとなっています。
一方の米国では、規制強化だけでなくプライバシー保護の必要性を重視する議論も広がっており、今回のピアース委員の発言もそうした動きを背景に行われました。
ピアース委員「プライバシーは保護と両立する」
ピアース委員は講演で、プライバシーは投資家保護と対立するものではなく、適切に設計すれば保護機能を高められるとの考えを示しました。
現行制度では証券保有者の氏名や住所の登録が求められていますが、ブロックチェーン上の公開アドレスを活用できれば、投資家は居住地情報などを第三者へ開示せずに済むと説明しています。
その結果、個人情報が一カ所に集中する「ハニーポット(攻撃者に狙われやすい個人情報の集積)状態」を避けられ、情報漏洩や不正利用のリスク低減にもつながるとの見解を示しました。
同委員はさらに、プライバシー技術が本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)の要件を技術的に支援できるとして、規制と技術は両立可能だと述べています。
ZcashやAptosで進むプライバシー技術の実用化
今回の発言で注目されたのは、これまで規制上の懸念が指摘されてきたプライバシー技術について、SECが開発者との対話を促した点にあります。
プライバシー関連プロジェクトは長らく規制上の不透明感を抱えており、今回の発言によって規制当局との対話経路が改めて示されました。
投資家の間でもプライバシー関連銘柄への資金流入が続いており、代表的な銘柄であるジーキャッシュ(ZEC)の価格は、この1年で大きく上昇する場面も見られました。
実際の開発も進んでおり、アプトス(APT)は競合に資金の動きを見せずに取引できる法人向けのプライバシーコインを公開しています。
ポリゴン(POL)も、銀行や決済事業者向けに送金相手や金額を秘匿したまま利用できる決済機能を展開しています。
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Source:SEC公式声明
サムネイル:AIによる生成画像

9 時間前
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