
この記事の要点
- CFTC委員長、仮想通貨の独自規制整備を表明
- レバレッジ取引を国内で認める規則策定に着手
CFTC、仮想通貨の独自規制に着手へ
米CFTC(商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は2026年8月20日、CLARITY(クラリティ)法案の成立を最優先としながら、不成立となった場合には仮想通貨の規制整備をCFTC独自に進める方針を表明しました。
その具体策として、セリグ委員長はワシントンで開いたイノベーション諮問委員会(IAC)の初会合で、仮想通貨のレバレッジ取引(証拠金を使った取引)を米国内で認めるための規則づくりなどをCFTCスタッフに指示したと明らかにしました。
こうした規則が整えば、米国内の事業者や投資家は海外の取引所に頼らず、CFTCの監督下で合法的にレバレッジ取引を利用できるようになります。
CLARITY法案の成立を待つだけでなく既存の権限による規則づくりも並行して進めることで、セリグ委員長は法案が成立しない場合に備えた二段構えの対応に着手しています。
上院採決9月15日へ、交渉継続
レバレッジ取引と開発者支援をCFTCが推進
半世紀超の実績を根拠に独自規制へ
セリグ委員長はCFTCによる独自規制の根拠として、同委員会が半世紀以上にわたり新たな金融商品や市場の変化に規制面から対応してきた歴史を挙げています。
こうした経緯を踏まえ、同氏は議会による新たな立法だけに頼らず、CFTCが現在持つ権限の範囲で仮想通貨(暗号資産)市場に適用できる規則を整える方針を示しています。
法案の成否にかかわらず規制環境の整備を急ぐ理由について、同氏は「規制と技術革新は手を携えて進まなければならない」と述べ、技術革新を米国内にとどめるには明確なルールが必要だと訴えました。
未登録取引所にもレバレッジ提供の道
レバレッジ取引をめぐっては、海外市場に流れている取引を米国内の規制下に戻すことを想定し、セリグ委員長は必要な規則の策定に着手するようCFTCスタッフに指示しました。
同氏はこの枠組みについて、既存の登録業者だけでなく未登録の仮想通貨取引所も、CFTCの監督下でレバレッジ取引を扱う指定市場として認められる可能性があると説明しています。
取引市場の整備と並行して開発者向けのルールも検討し、ブロックチェーン上で稼働する金融プロトコルを米国内で合法的に提供できる道を設けるよう、セリグ委員長はスタッフに検討を求めたと明らかにしました。
セリグ氏「規制なければ人材は海外へ流出」
これらの方針が示されたIAC初会合には米国の開発者や起業家らが参加し、金融市場の将来を見据えてCFTCが技術革新と規制をどう両立させるかをめぐる議論が交わされました。
セリグ委員長はそのなかで、1848年に設立されたシカゴ商品取引所の初期の先物取引が「賭博」と批判された歴史を引き合いに出し、現在の仮想通貨に対する批判にも同じような論法がみられると指摘しています。
過去に批判を受けた先物市場が発展してきた経緯を踏まえ、セリグ委員長は「明確なルールがなければ、開発者やビジョナリーは常により良い岸辺へと去っていく」と述べ、規制の不透明さによって技術や人材が国外へ流出することに警戒感を示しました。
ただし同氏は、会合で示した内容がCFTC全体ではなく委員長個人の見解だと冒頭で断っており、独自規制の具体的な内容や導入時期は今後のスタッフによる検討を経て固まる見通しです。
クラリティ法案は国家安全保障法
9月上院採決へ、CFTC独自規制と二段構え
CFTCが独自の規則づくりを準備する一方、銀行分野ではOCC(通貨監督庁)の調査で新設の銀行免許申請の半数超が仮想通貨関連事業を計画していることが明らかになり、米国では既存の金融制度に仮想通貨を組み込む動きが相次いでいます。
こうした状況で仮想通貨市場の包括的な規制枠組みを定めるCLARITY(クラリティ)法案は9月に上院で最初の採決手続きを迎える予定で、可決には60票の確保が必要となるほか、上院通過後には下院案との一本化も控えています。
CFTCはこうした立法手続きと並行して法案が成立しない場合の規則づくりも準備しており、9月の上院審議を控えるなかでも既存権限を使った独自規制の検討を進める方針です。
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Source:CFTC発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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