「立つ鳥跡を濁さず」――W杯の日本人観客席が必ずきれいになっている理由

2 時間前 2

(CNN) 今年のサッカーワールドカップ(W杯)北中米大会に出場する48チームの成績は誰にも予測できない。しかし日本が最も整然としたチームになることに賭ければ、間違いなく勝つ。日本人がそこにいたことさえ気づかないかもしれない。

異文化リーダーシップに詳しいミチキモーガンワールドワイド創業者のモーガンのぞみ最高経営責任者(CEO)は、8歳の時に米シアトルから東京へ移転した時のことを鮮明に覚えている。学校生活の違いがあまりに大きかったことが、その一因だった。

「最初に驚いたのは、『外履き』を脱いで『上履き』にはき替えること。屋内をできるだけきれいに保つために」。モーガンさんはCNN Sportsにそう語った。

だがそれは始まりにすぎなかった。両親は毎朝、モーガンさんに雑巾を持たせて学校へ送り出した。「子どもは全員が自分の雑巾を持っていた。リサイクルした布を何枚も使った手縫いの雑巾には名前が書いてあった」「最初の課題が教室の掃除だったことはよく覚えている」

椅子と机を全て教室の前に集めてから、子どもたちが雑巾で床を拭く。「雑用というより、ちょっとした掃除ゲームみたいな感覚だった。みんなで一緒にやる活動だった」

小学校でも中学校でも階段からトイレに至るまで、あらゆる場所を掃除したとモーガンさんは回想し、「『立つ鳥跡を濁さず』ということわざがある」と紹介する。

とにかく一度やってみて

兵庫県丹波市の前山小学校で教室の掃除をする2年生=2024年3月15日/Buddhika Weerasinghe/Bloomberg/Getty Images
兵庫県丹波市の前山小学校で教室の掃除をする2年生=2024年3月15日/Buddhika Weerasinghe/Bloomberg/Getty Images

もっとも、教室の掃除を誰もが喜んでいるわけではない。

大嫌いだった、とCNNに打ち明けたのは角田寛和さん。なぜこんなことをしなければならないんだろう、そもそも日本の教室はそれほど汚れていないし、みんなごみ箱を使うのに、とかつては思っていたと話す。

角田さんは2008年以来、オリンピック(五輪)やW杯の観戦に出かけて毎回必ず、観客が会場に残したごみの清掃を手伝っている。

チケットを買ったからといって好き放題やっていいわけではない、と角田さんは言い、自分たちにとっては神聖な場所であり、大切な場所だからこそ、散らかったままにしておきたくないと語った。

大人になるまでは、そんな風には思わなかったという。娘が通う学校のごみ拾いを手伝うようになって初めて、清掃することや、そもそもごみを散らかさないことの価値を認識するようになったと振り返る。

スタジアムでごみ集めをする日本人については「注目を集めたいだけ」「単なる見せかけ」という批判もある。それでも一度やってみてほしい、と角田さんは言う。

他人の食べ残しや飲み残しを拾い集めるのはもちろん気持ちのいいことではない。しかし一度それを経験すれば、自分がごみを残すような人間にはまずならないだろうと指摘する。

今やごみを残さないファンの非公式な代表となった角田さんだが、自分はきちょうめんなサポーターたちの先例にならっているだけだと言い切った。そうした姿勢はスタンドの応援団だけでなく、チームにも浸透している。

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