米テキサス州の消防署で5月16日、隊員がポールにつながれた1匹の犬を発見しました。
そばには、元飼い主による長文の手紙が残されていたそう。その後の隊員たちの行動に、称賛の声が寄せられています。
長文の手紙に記された、元飼い主の苦渋の決断
犬は同日早朝、フォートワース消防署の分署の外で発見されました。当時、ポールに鎖でつながれ、そばには水のないペットボトルが置かれていたそうです。
代わりに入っていたのは、3枚にわたる長文の手紙。それによると、元飼い主はホームレス生活を送る退役軍人で、犬はジェイクという名前であることがわかりました。
元飼い主は、これまでジェイクとテントで暮らしていました。しかし、新しい場所に移り住まなければいけないそう。そこには、ペットを連れて行けません。
元飼い主は苦渋の決断の末、ジェイクを手放すことにしたといいます。手紙の最後には、「私の大切なこの子を助けてください」と、切実な思いが書かれていました。
この手紙を読み、同署はジェイクの新たな飼い主探しを始めました。
消防署、犬を引き取ることを決意
飼い主候補には、複数の希望者が名乗り出たそう。しかし、最終的な引き取りにはつながりませんでした。
一方、隊員たちがすっかりジェイクにメロメロに。また、ジェイク自身も隊員たちが大好きなのか、常に誰かのそばにいたがるようになったそう。
同署は話し合いのすえ、ジェイクを引き取ることを決断。食事からワクチン接種まで、署内で責任を持って面倒を見ているそうです。
公式SNSでは、通常は動物の引き取りは行っていないとしたうえで、今回は「支援を必要とする退役軍人、隊員たちの思い、そして無視できないほどのジェイクの笑顔」が重なった結果、署で飼うことを決めたとつづりました。
元飼い主も、徐々に生活を立て直している
この決断は多くの注目を集め、世間の関心は、元飼い主である退役軍人のトム・マイナーさんにも向けられるようになりました。
これについて、同署は5月22日、公式SNSで進捗を報告。同署のホームレス支援団体がトムさんとの接触に成功し、現在は医療機関への通院に付き添うなど、トムさんの生活を全面的にサポートしているそうです。
また、テキサス州の車販売店から”新たな住まい”として、キャンピングカーが寄付されました。
トムさん自身も、みずからの力で生活を立て直せるよう、自立に向けた歩みを進めている最中だといいます。
一連の投稿には、
「消防署の皆さんを誇りに思います。トムさんのお願いを聞いてくれて、ジェイクのことも助けてくれて、ありがとう」
「本当にすてきな話です。私の生まれ育った土地でもある場所で、たくさんの人が支援に名乗り出ていることがうれしい。もっと、こんなニュースが増えたらいいのに」
「ジェイクも、もうすっかり消防隊の一員だね」
など、温かなコメントが寄せられました。
米退役軍人がホームレスとなる背景は?
2021年にシカゴ大学が発表した調査結果によると、全米のホームレスのうち、シェルターなど屋内で生活している人の約53%、屋外で生活している人の約43%が就業しているといいます。
しかし、いずれも生活を維持できるだけの賃金を得られないことが、結果としてホームレスとなる背景にあるといいます。特に都市部では、物価や家賃の高騰が強く影響しています。
また、ホームレス状態にある退役軍人を支援する団体「National Veterans Homeless Support(NVHS)」によると、退役軍人は自立した生活を送れるほどの賃金を得られない場合があるそう。
軍隊での経験や技能は民間の職業に直結しにくく、再就職先を見つけにくいといった事情などが指摘されています。

2 日前
2





English (US) ·
Japanese (JP) ·