注目5銘柄、NISA活用術、後悔しないFIRE。資産2.8億円超の長期株式投資さんが教える、初心者のための実践投資法

1 ヶ月前 12

日経平均が史上最高値圏にある今、「何を買えばいいのか」「今から始めても遅くないのか」と迷う人は少なくない。

そこで今回は、日本株の高配当株投資を軸に資産を築いてきた個人投資家・長期株式投資さんに、初心者におすすめの投資法から注目の5銘柄、買い時の見極め方、NISAの活用法、後悔しないFIREの考え方まで聞いた。

投資初心者が最初に身につけるべきは、「大きく負けない仕組み」

―もし今、投資経験がまったくない状態から始めるとしたら、最初はどのような投資をしますか。

低PER(株価収益率)・高配当の大型優良株を、少額ずつ分散しながら買い、ポートフォリオを構築していきます。

―最初からPERを意識したほうがよいでしょうか。

ある程度慣れたら低PERを狙うのがいいと思います。最初はドルコスト平均法で少しずつ買っていくかたちで十分です。

まずは相場に慣れて、知識を蓄積することがかなり大事です。低PERを狙うのも、理解すればそれほど難しい話ではないのですが、最初から実践するのはなかなか難しい。慣れて体験しながら身につけていくものだと思います。最初は少額ずつ分散して相場に慣れる。その次のステップとして、低PERを狙うのがよいのではないでしょうか。

―銘柄選びだけでなく、「分散」も重要ということですね。

はい。大型優良株は、長い目で見れば基本的には大丈夫だと思っています。1銘柄に集中すると失敗することもありますが、20銘柄程度に分散していれば、その半分以上が同時に想定を超えて経営悪化するという事態は、ほぼ起こらないと思います。

もちろん、1社か2社が経営破綻するリスクはあります。それでもポートフォリオ全体として大きな損失を被る確率は極めて低くなります。ですから、分散して長期保有する運用が大事だと思っています。

長期株式投資さんが選ぶ、2026年後半の「注目銘柄」5選

―2026年後半に注目している銘柄を5つ挙げるとしたら、どの銘柄になりますか。

投資初心者が100株だけ保有するという条件であれば、「NTT」と「ソフトバンク」です。この2銘柄は、少額で始められるうえ、配当と株主優待を合わせた利回りも比較的高いと考えています。

NTTは株価が140円台なので100株でも1万4000円台、ソフトバンクも200円台ですので、100株でも2万円台で投資できます。少額で始められて、議決権も持てますし、業績もある程度安定しています。まずは投資に慣れるという意味でも、初心者にとってよい銘柄ではないかと思います。

残りの3銘柄は、「ショーボンドホールディングス」「トヨタ自動車」「第一生命ホールディングス」です。

ショーボンドホールディングスは、業績が非常に安定している一方で、株価はそれほど上がっていません。連続増配銘柄でもあります。6月決算なので、8月中旬頃の決算発表ではおそらく今回も増配になるのではないかと考えています。

そうなると、株価が同じでも配当利回りは今より高くなります。インフラ補修を主力事業としているため、需要がなくなりにくく、受注残も豊富です。財務基盤もしっかりしていますので、ビジネスが崩れにくい会社だと思っています。

第一生命ホールディングスは、業績が好調で増配傾向にあることが理由です。現在は金利上昇局面ですので、銀行ほどではありませんが、保険会社も運用の幅が広がり、利益を上げやすい環境になると考えています。トヨタ自動車は、先ほどお話しした通り、割安だと考えているからです。

ショーボンドホールディングス以外の4銘柄には株主優待もあります。初心者の方にとっては、保有を続けるモチベーションの一つになるかもしれません。

「割安かどうか」で買い時を判断する

―以前ご著書で紹介されていた銘柄の多くは、株価が上がっています。これから投資する人は、何を基準に買い時を判断すればよいのでしょうか。

株価ではなく、PER(株価収益率)で判断するといいと思います。

企業は利益が伸びれば1株当たり利益(EPS)も増えますから、長期的には株価も上がっていくのが自然です。ですから、単純に株価だけを見て「高くなった」「安くなった」と判断するのは、あまり適切ではありません。大切なのは、その企業の利益に対して株価が何倍まで評価されているのかという視点です。

市場全体の平均PERだけではなく、企業ごとにも「通常はこのくらいのPERで評価される」という水準があります。過去の平均的なPERよりも低い水準であれば、いずれ平均に回帰していくので、値上がりも期待できます。株価そのものではなく、「今どれくらい割安なのか」をPERで判断することが大切だと思っています。

―NISAはどのように活用されていますか。

つみたて投資枠では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を積み立てています。成長投資枠では、配当によるキャッシュフローを得ることを目的に、大型の高配当日本株と外国株へ投資しています。

外国株では配当利回りや事業の安定性を重視し、英国のたばこ大手「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」や米国の食品大手「ゼネラル・ミルズ」などを保有しています。

後悔しないFIREに必要な準備と心構え

―45歳でFIREして、生活は実際どう変わりましたか。

自分でコントロールできる時間が大幅に増え、やりたいこともできていますので、FIREしてよかったと思っています。

―最近は「FIRE卒業」という言葉も聞かれます。後悔しないFIREのために、大切なことは何でしょうか。

退職する前に、「なぜFIREしたいのか」を自分の中で整理しておくことと、金銭面のシミュレーションを入念に行っておくことです。そのためにも、キャッシュフロー表を作成して、将来のお金の流れをしっかりシミュレーションしておくことをおすすめします。

とはいえ、キャッシュフロー表を作ったからといって、すべてが想定通りにいくわけではありません。想定外のことは起こり得ます。でも、会社を辞めても、また働けばいいだけなんですよね。そんなに大きな話ではないと思っています。

特に終身雇用を前提にしてきた世代にとっては、会社を辞めること自体が人生の一大イベントのように捉えられがちです。でも、今は雇用の流動性も高まっていますし、健康でさえいれば働ける環境はあると思っています。

―シミュレーションは事前にしっかり行いながらも、働き方については柔軟に考えてもいいということですね。

そうですね。FIREするかどうかに関わらず、自分の老後の生活設計を考えるうえで、キャッシュフロー表を作ることはおすすめです。例えば、65歳から年金を受け取るとしたら、自分の資産が何歳まで持続するのか。そういったことを計算しておく価値は大きいと思います。

現行の制度では年金は受給開始を1年遅らせると、支給額が8.4%増えます。例えば、その1年間は貯蓄を取り崩して生活し、年金を1年繰り下げるという選択肢もあります。

2年間繰り下げれば支給額は16.8%増えますし、こうしたシミュレーションもキャッシュフロー表を作るうえで検討できます。自分が亡くなるまでのお金の流れを一度シミュレーションしておくことは大切です。

続ける人だけが、山頂にたどり着ける

―これから投資を始める読者へ、メッセージをお願いします。

株式投資は、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは少額でも、自分のペースで相場に触れてみることから始めてみてください。

続けていけば、資産は少しずつ積み上がっていきます。資産が増えれば、その分だけ活用の仕方や人生の選択肢も広がっていきます。最初からゴールだけを見るのではなく、まずは目の前の一歩を積み重ねることが大切なのではないでしょうか。

私は山登りが好きなのですが、登っている最中、山頂はいつまでも遠くに見えるものです。でも、一歩踏み出せば何十センチずつでも確実に山頂へ近づいています。その積み重ねで、最終的には山頂にたどり着くことができる。

投資も同じです。たとえ少額でも、自分の目標に向かって前進していることに変わりはありません。その「前に進んでいる」という実感を大切にしながら、焦らず一歩ずつ続けていただけたらと思います。

 ※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

※本インタビューは2026年6月24日に実施しました。株価データはインタビュー時点のものです。

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