月2cmのペースで「メキシコシティが地盤沈下」していると判明

2 ヶ月前 16

歴史的建物が傾く街、メキシコシティ

メキシコシティ中心部のソカロ広場を歩くと、この都市が抱える問題を目で見ることができます。

広場の一角に建つメキシコシティ・メトロポリタン大聖堂は、堂々とした尖塔を持ちながらも、建物全体がわずかに傾いているのです。

隣接する教会は別の方向へ傾き、近くの国立宮殿も、どこか水平を失っているように見えます。

これは古い建物の老朽化だけが原因ではありません。

メキシコシティ全体で、地面そのものが沈み続けているのです。

画像メキシコシティ・メトロポリタン大聖堂 / Credit: ja.wikipedia

この地盤沈下は、少なくとも1925年にはすでに確認されており、1世紀以上にわたって続いてきました。

現在では、建物の傾きだけでなく、道路の変形、上下水道管の破損、地下鉄システムへの損傷など、都市インフラ全体に影響が出ています。

人口約2200万人を抱える大都市にとって、これは単なる地質学上の現象ではありません。

道路が歪めば交通に支障が出ます。

水道管や排水管が壊れれば、水の供給や衛生にも影響します。

さらに、地盤沈下でひび割れた配管から水が漏れれば、ただでさえ不足しがちな水資源が失われていきます。

メキシコシティでは、漏水によって推定40%もの水が失われているとされます。

街が沈むことで水道管が壊れ、水道管が壊れることでさらに水不足が深刻になるのです。

今回、NASAとインド宇宙研究機関の共同プロジェクトであるNISARは、こうした沈下の広がりを宇宙から詳細に捉えました。

NISARは強力なレーダー観測衛星で、雲や植生に妨げられにくく、地表のわずかな変化を検出できます。

これにより、メキシコシティの一部地域、たとえば主要空港周辺では、月に2センチ以上という世界的にも非常に速いペースで地面が沈んでいることが確認されました。

目に見える街並みの歪みは、地下で進む変化の表面に現れたサインなのです。

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