「妻の方が稼ぐ夫婦」はなぜ別れやすいのか
近年、女性の学歴や収入は大きく上昇しています。
その結果、妻や女性パートナーの方が男性パートナーより多く稼ぐカップルも、以前より珍しくなくなりました。
一方で、これまでの研究では、女性の収入や社会経済的地位が男性を上回るカップルほど、別居や離婚、同棲解消のリスクが高い傾向があると報告されてきました。
その理由としてよく挙げられてきたのが、「男は仕事、女は家庭」という価値観です。
男性が主な稼ぎ手であるべきだという考え方が、妻の方が多く稼ぐ夫婦に見えない負担をかけ、関係を不安定にしているのではないか、という説明です。
そこで研究チームは、この説明が本当に成り立つのかを調べました。
分析対象となったのは、2004〜2020年に集められた、29の高所得国の異性カップル544,911組です。
この中には、既婚カップル437,102組と、同棲カップル107,809組が含まれていました。
研究では、女性の収入がカップル全体の40%未満の場合を「男性稼ぎ主」、40〜60%の場合を「平等稼ぎ」、60%を超える場合を「女性稼ぎ主」と分類しました。
そのうえで、女性が主な稼ぎ手であることが別れやすさと関係するのかを、統計モデルで分析しました。
さらに、その背景に「男は仕事、女は家庭」という価値観、女性の経済的自立、国ごとの労働市場の違い、仕事と家庭の両立負担などが関係しているのかも検証しました。
結果として、女性稼ぎ主カップルは、男性稼ぎ主カップルより別離リスクが高いことが確認されました。
しかし、その差は「男は仕事、女は家庭」という価値観の強さだけでは、うまく説明できませんでした。
では、何がこの差に関係していたのでしょうか。より詳細な結果は次項で見ていきます。






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