
2026年1月30日(金)、東京南部の海上自衛隊横須賀地区本部で、小泉進次郎防衛大臣が韓国の安徽博防衛大臣と会談後、報道陣の取材に応じた。(AP通信/ユージン・ホシコ撮影、資料写真)
By Andrew Salmon – The Washington Times – Tuesday, August 18, 2026
【ソウル】小泉進次郎防衛相はオーストラリア訪問中の18日、同国メディアを騒がせた一件についての質問を巧みにかわした。オーストラリア首相が日本の首相について、女性の胸部を念頭に置いたとも受け取れる発言をしたことを巡る騒動だ。
これは賢明な対応と言っていいだろう。小泉氏は、父親の純一郎元首相の後を継いで将来の首相になるとみられている人物の一人で、日本の政界の重要な存在だからだ。
日本は防衛力を増強し、中国の軍事力の増強を警戒する一方で、地域内外の民主主義国である中堅国との関係を強化している。日本はオーストラリアとの関係をモデルに、英国やフィリピンとの防衛協力も拡大してきた。
欧州とは異なり、インド太平洋地域には北大西洋条約機構(NATO)のような包括的な同盟は存在しない。その代わり、地域の民主主義国は米国とそれぞれ個別の2国間同盟を結んでいる。
小泉氏は18日、同様の目的でインドに向けてオーストラリアを出発した。ただ、それは米国にとって歓迎できないもののようだ。
米国のエルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)は最近、マニラでの演説で地域各国の政府に対し、この「中堅国同盟」に警戒するよう促した。
■メロンではなくフリゲート艦
オーストラリアのメディアによると、「メロンゲート」騒動について尋ねられた小泉氏は18日、そっけなく「きょうはそのような話はしなかった」と答えた。
ただ、騒動については知っていると認めた。
「私がオーストラリアを訪問する前に、オーストラリア側から日本側に、(オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が)実際にはそのような意味で言ったわけではないと説明があった」と小泉氏は述べた。
アルバニージー氏は7月、コメディアンのニッキー・オズボーン氏が司会を務める風刺ポッドキャスト「ブッシュディープ」で、5月にオーストラリアを訪問した高市早苗首相から贈り物をもらったと語った。「最高級のメロン―彼女が持ってきた。2個、2つのメロンだ―素晴らしかった」と述べた。
アルバニージー氏の発言と、それに伴う手ぶりを受け、オズボーン氏は高市氏について、豊満な米女優のパメラ・アンダーソンのようなのかと尋ねた。
この冗談の応酬はオーストラリアではほとんど注目されなかった。だが、元日本大使が先週、「性差別的な冗談」と批判したことで状況が変わった。
この発言をきっかけに騒動は全国的に拡散。野党が謝罪を要求する中、アルバニージー氏は性的な意図はなかったと否定した。
中国の海軍力増強と地域での影響工作の強化を受けて、豪日防衛協力が急速に進む中、オーストラリアの主要メディアはアルバニージー氏の対応を厳しく批判した。
「アンソニー・アルバニージーはよくミスをし、その後すぐに否定する」と、豪紙オーストラリアンの国内記事担当デスクのデニス・シャナハン氏は先週、同紙のニュースポッドキャスト「フロント」で語った。
日本政府が沈黙を保つ一方、豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューは、日本国内でも反発が起きていると報じた。
同紙によると、SNSではオーストラリア人を「流刑植民地の市民」と揶揄する投稿が相次いだ。また、朝日新聞の記者は「親しみやすさと下品さは違う」と投稿した。
しかし小泉氏は、アルバニージー氏との短時間の会談でこの問題に引き込まれることを避けた。キャンベラ訪問の主目的は、オーストラリアのリチャード・マールズ国防相との会談だった。
両氏は、日本の自衛隊がオーストラリア国内の広大な射撃・ミサイル演習場を10年間使用できるようにすることで合意した。また、豪日共同の高出力レーザー防衛構想の進捗(しんちょく)を確認し、オーストラリアが日本のもがみ型ステルス・フリゲート艦を取得する総額100億ドル規模の計画について協議した。
■中堅国の連携
小泉氏のオーストラリア訪問は4カ月間で2回目であり、両国の防衛関係が一段と緊密になっていることを示している。
2022年、オーストラリアと日本は「円滑化協定」を締結し、両国間での部隊や武器の展開を可能にした。日本はその枠組みをモデルとして、その後、英国やフィリピンとも同様の協定を結んだ。
シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」は19日、分析記事で「日本は『準同盟国』から『同盟国』へと近づいている」と指摘した。「両国は相互防衛を義務付ける条約を結んでいないものの、『同盟国』という表現には納得がいく」としている。
ASPIは、もがみ型フリゲート艦の取得計画と、中国関連の安全保障上の問題に直面する民主主義国インドと中国との関係を例に挙げた。
「米印関係が緊張する中、オーストラリアと日本にはクアッド(日米豪印4カ国の連携枠組み)を正しい方向に維持する責任がある」と指摘した。
米国の関税政策や、米国が中東での対話相手としてパキスタンに傾いていることの影響を受け、インドのメディア「フェデラル」は18日、過去1年間の米印関係について「20年以上で最も激しく動揺している」と報じた。
クアッドは「4カ国安全保障対話」といい、オーストラリア、インド、日本、米国を結ぶ枠組みだ。高市氏の師とされる故安倍晋三元首相が2007年に正式な枠組みとして提唱したが、実際の防衛同盟には発展していない。
ASPIは、「(オーストラリアと日本は)米国の軍事力が不可欠であることを認めており、米政権をインド太平洋に関与させ続ける最善の方法は、同盟国が安全保障上の負担を公平に分担する意思があることを米政府に示すことだ」と指摘した。
これは米国防総省で賛否を呼ぶ可能性がある。
6月16日、米インド太平洋軍は名称を米太平洋軍に変更した。「インド太平洋」という言葉は、インド洋と太平洋にまたがる地域全体の防衛を示す表現として広く使われている。安倍氏が2007年の演説で用いたのが始まりで、米軍は2018年、1期目のトランプ政権でこの呼称を採用した。
他にも摩擦の兆候がある。
コルビー氏は8月10日、フィリピン・マニラのストラトベース研究所で演説した。中国という言葉を一度も使わず、トランプ政権をもっと信頼するよう繰り返し呼び掛けるとともに、中堅国に同盟を結成しないよう警告した。
「米国を排除することを目的とした中堅国同盟のような構想が取り沙汰されているが、表面的な妄想にすぎず、退けるべきだ」と述べ、「同盟国や緊密なパートナー国によるこうした取り組みは米国の取り組みと統合され、補完するものでなければならない。米国を排除したり、取って代わったりしようとする無益で無駄な試みであってはならない」と指摘した。
小泉氏は19日、インドに到着し、ラジナート・シン国防相と会談するほか、海軍基地を視察し、共同調達や防衛装備品の共同事業について協議する。
今回の訪問は、高市氏が7月にニューデリーを訪問したのに続くものとなる。

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