
この記事の要点
- 大阪府、JPYC・USDC決済など金融実証4事業を採択
- 総額2,889万円を交付、実証後の府内事業化を支援
大阪府、ステーブルコイン決済など4事業を採択
大阪府は2026年8月26日、ブロックチェーンやAIなどの技術を用いた金融サービスの実証実験を支援する補助金の交付先として、4つの事業を選んだと発表しました。
交付先にはHashPort、マイナウォレット、Mi&T、SBI XDC Network APACが選ばれ、4事業への交付決定額は総額2,889万円となっています。
このうち3事業では、円建てステーブルコイン「JPYC」や米ドル建て「USDC」を使った決済を検証し、残る1事業では貿易取引の手続きをブロックチェーンで効率化する実証が行われます。
大阪府はこれらの実証を通じて、府内店舗でステーブルコインを利用できる環境を広げ、府民の利便性向上と国際金融都市としての魅力向上につなげる方針としています。
最大1,000万円の補助金創設
12事業応募、有識者審査で4社に交付決定
補助上限1,000万円、公募に12事業
大阪府は、府内で先駆的な金融サービスの事業化を支援する「大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」について、令和8年7月に公募を行いました。
公募には12事業の応募があり、大阪商工会議所や京都大学の有識者らで構成する検討会の意見を踏まえて審査した結果、HashPortなど4社への交付が決まっています。
補助額は1事業あたり上限1,000万円、補助率は対象経費の2分の1以内とされ、各社は交付決定日から令和9年3月31日までに実証を行う予定です。
決済3社、輸出ファクタリング1社を採択
大阪府が公表した交付決定事業一覧によると、採択された4事業のうち3事業がステーブルコイン決済、1事業が輸出ファクタリングのオンチェーン化を対象としています。
| SBI XDC Network APAC(TOPPAN・Ginco) | 輸出ファクタリングのオンチェーン化 | 1,000万円 |
| HashPort | ステーブルコイン決済・日本円清算/エスクロー型決済 | 1,000万円 |
| マイナウォレット(三井住友カード) | stera terminal上でのJPYC・USDC決済 | 764万円 |
| Mi&T | 大阪公立大学周辺でのJPYC実店舗決済 | 125万円 |
3社がステーブルコイン決済を検証
ステーブルコイン決済を扱う3社のうち、HashPortはステーブルコインによる支払いを受け付け、加盟店には日本円で代金を清算する決済基盤を大阪府内で実証します。
令和9年1月から3月にかけてコンビニエンスストアや小売店、レストランなどで実証するほか、ECサイトでは商品やサービスの履行確認後に代金を支払うエスクロー型決済も対象となる見通しです。
マイナウォレットは三井住友カードと連携し、同社の決済端末「stera terminal」でJPYCとUSDCによる支払いを取り扱います。
マイナンバーカードで本人確認を行うウォレットを組み合わせ、令和8年10月から令和9年2月ごろにかけて、府内のイベント施設や商業施設で外国人利用者を含む決済を検証するとしています。
Mi&Tは対象地域を大阪公立大学周辺に絞り、キャンパス近隣の飲食店や小売店5店舗ほどでJPYCによる実店舗決済を実施します。
令和8年11月中旬から令和9年3月中旬にかけて利用者への還元や店舗業務の効率化を確かめ、その成果をもとに府内の商店街への展開を目指しています。
SBI XDC、輸出取引をオンチェーン化
3社がステーブルコイン決済に取り組む一方、SBI XDC Network APACは企業間の貿易を対象に、輸出取引に伴う一連の手続きをブロックチェーンで効率化する実証に取り組みます。
同社はTOPPAN、Gincoと連携し、法人向けデジタル証明書「vLEI」を使った取引先の実体確認から輸出ファクタリング、代金回収までをブロックチェーン上で処理する仕組みを構築する計画です。
輸出ファクタリングは売掛債権を早期に現金化する手法で、従来は書類確認や手続きに時間を要していた一連の流れをブロックチェーン上でつなぐことで、作業時間の削減が見込まれます。
令和9年1月から3月には大阪府内の中古自動車部品輸出業者の事例を用いて本番環境で実証し、その結果を事業モデルの構築につなげるとしています。
訪日客向けAI案内にJPYC活用
令和9年4月以降、4社が府内で事業化へ
大阪府は「国際金融都市OSAKA」の実現に向けて先駆的な金融サービスの創出を支援しており、今回の補助制度もその取り組みの一環として実施されています。
採択された各社には令和9年3月末までの実証に加え、その成果を踏まえて令和9年4月以降に大阪府内で本格的な事業展開を行うことが求められます。
今回の実証で得られた成果が、令和9年4月以降の府内での本格的な事業展開にどう生かされるかが注目されています。
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