【分析】炎上するロシア、それでもプーチン氏が屈すると期待してはいけない理由

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(CNN) ロシア全土が深刻なガソリン不足に見舞われるなか、首都モスクワの街頭では乗用車やトラックの運転手たちが長い列を作り、不機嫌ながらも辛抱強く順番を待っている。CNNが聞いたところでは、多くの人が燃料を探して一日中走り回ったという。世界有数のエネルギー生産国の首都としては異例で、ウクライナ戦争の影響とは無縁だった都市には想定外の状況だ。

しかし紛争が5年目に突入した今になって初めて、ロシア国民はクレムリン(ロシア大統領府)がなお「特別軍事作戦」と呼ぶ事態の厳しい現実を悠々と見過ごすことはできなくなった。

過去1カ月で展開されたウクライナの前例のないドローン(無人機)作戦は、その規模と影響の両面で異例のものとなっている。

先週のある晩だけで、ロシアは12の地域でドローン660機を迎撃したと発表。2022年にロシアが全面侵攻を開始して以降、ウクライナの攻撃としては最大規模にあたる。

標的は決して無作為ではなく、慎重に選ばれている。製油所、石油ターミナル、海軍艦艇、ロシア領内奥地の兵器工場――。ロシアの戦時経済を消耗させ、クレムリンが戦争をさらに遂行するうえでの経済的・政治的コストを高めることを狙った作戦だ。

そして、それは効果を上げている。

ロシア各地で燃料が不足し始めるなか、給油所で待つ車両の列がのびていく様子を独立系メディアが記録している。その様子は当局が隠したがる光景だ。14年にウクライナから併合されたクリミア半島は非常事態下に置かれ、燃料販売が停止された。

モスクワの給油所に長い列ができている様子=27日/Contributor/Getty Images
モスクワの給油所に長い列ができている様子=27日/Contributor/Getty Images

痛手となる失態でも受け流すことの多いクレムリンにとってさえ、厳しい現実を避けて通ることは難しくなっている。

ロシアのプーチン大統領は週末に緊急会合を開き、国内のガソリン備蓄が不安を覚える水準にまで取り崩されていることを明らかにした。

「運転手や企業にとっての問題が続いていることは、皆さんもよく知っている通りだ」。プーチン氏は集まった政府高官らにそう述べ、当局が数週間にわたって軽んじてきた問題を認めた。

「残念ながら、ガソリンスタンドには今も行列ができている」(プーチン氏)

クレムリンが一定の圧力を感じていることを示す兆候はほかにもあった。プーチン氏は軽油の輸出を全面的に禁止する案を検討していることを明らかにしたのだ。この発言の前には副首相が記者団に対し、そうした禁止措置は必要ないと述べていた。プーチン氏は、燃料問題に関する作業部会が動いていることも確認した。

さらに、農業が危機にひんしているとも警告。ロシアは「われわれの民間標的とインフラに対するテロ攻撃の影響を最小限に抑えなければならない」と訴えた。ウクライナのドローン攻撃を取るに足りないものとして一蹴してきた指導者にとっては、慎重に言葉を選んだ上での方針転換だ。

何年にもわたりウクライナのエネルギーインフラ、すなわち発電所や変電所、暖房施設を組織的に破壊するというやり方は戦時のロシアが特に意図して用いてきた戦略の一つだった。この事実は大きな皮肉だ。戦略は日常生活を耐え難いものにすることで民間人の士気をくじくことを狙ったものだったのだが、ウクライナはいま、その論理を反転させたように見え、ロシア人はその矛先を自分たち自身で感じ始めている。

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