(CNN) トランプ米大統領はイランに濃縮ウランを廃棄させ、核兵器を絶対に製造しないと約束させ、さらには海上交通の要衝ホルムズ海峡の封鎖を解除させることもできるかもしれない。だが、こうした問題が生じたのは、そもそもトランプ氏の2期にわたる行動が原因と言える。
トランプ氏は1期目在任中、イランとオバマ政権の間で交渉が行われた核合意から離脱し、中東におけるイランの代理勢力網を構築した立役者との見方が多かったソレイマニ革命防衛隊司令官の殺害を命じた。これに対しイランは、兵器級に近い濃縮ウランの備蓄を増やすことで対抗。配下の代理武装勢力が中東の米同盟国への脅威を強めることも容認した。
イランには原子爆弾製造を禁じる最高指導者の宗教的裁定が存在するが、イランはその後、必要であれば短期間で兵器化できる核技術の開発を進めた。
今回米国との間で署名が行われた合意で、イラン政府は兵器級に極めて近いウランの備蓄の希釈について協議することを約束した。これはオバマ政権時代の核合意からトランプ氏が離脱したのを受けてイランが備蓄したものだ。
合意に署名するイランのペゼシュキアン大統領の背後の壁には、トランプ氏の命令で殺害された前最高指導者の肖像画と、後継者となった息子の肖像画が並んで掲げられていた。戦争で何一つ変わっていないというイランのメッセージだ。
トランプ氏は新たな合意で、ホルムズ海峡を再開するという約束をイラン側から取り付けた。ホルムズ海峡は極めて重要なチョークポイント(要衝)で、世界の1日の石油供給量の約5分の1が通過する。ウラン備蓄の確保と同様、ホルムズ海峡の封鎖も、対イラン軍事攻撃に踏み切ったトランプ氏自身の判断への対抗措置だった。
米国はこうした約束をイランの譲歩と受け止めて歓迎しているが、イラン政府内では祝勝ムードが広がる。批判派の間では、トランプ氏が自ら招いた危機を解決したに過ぎない今回の戦争と合意から、一体どんな具体的な利益が得られたのかとの疑念が出ている状況だ。
◇
本稿はCNNのモスタファ・サレム記者による分析記事です。

3 時間前
2





English (US) ·
Japanese (JP) ·