
この記事の要点
- パキスタン当局が仮想通貨事業を初の免許制へ
- 既存業者は9月5日までに申請、未対応は停止も
パキスタン、仮想通貨事業を免許制へ転換
パキスタン仮想資産規制当局(PVARA)は2026年8月21日、仮想資産サービス事業者(VASP)の免許制度を定める規則を官報で公布しました。
新たな規則の施行により、国内で仮想通貨(暗号資産)に関わる事業を営むにはPVARAの免許が必要となり、取引所やカストディ(保管)、トークン発行などの業務ごとに許認可の要件が初めて明文化されました。
PVARAは規則の公布とあわせて申請ポータルを開設しており、すでに事業を営む業者には2026年9月5日までのNOC(不異議証明書)申請が義務づけられ、期限までに手続きを行わなければ事業の停止を迫られます。
世界有数の仮想通貨普及率を持つとされるパキスタンでは、関連事業が初めて正式な規制の対象となり、これまで明確な制度の外にあった事業者を当局の監督下に置く枠組みが設けられました。
パキスタン、仮想通貨戦略を大転換
業務別に免許区分、顧客資産の保全も義務化
取引所・カストディなど業務別に免許区分
全77ページに及ぶ規則では、免許取得から事業運営、顧客資産の保全までを対象に、仮想通貨サービスを提供する事業者が満たすべき基準を定めています。
免許は取引所やカストディ、投資助言、トークン発行など業務の性質ごとに区分され、複数の分野を手がける事業者は、それぞれに応じた認可を取得する必要があります。
免許取得までの審査は二段階で進む仕組みで、法人設立の前提となるNOCには最長60日、その後の本審査には最長90日の審査期間が設けられています。
顧客資産の流用を禁止、保全を徹底
事業者には顧客から預かった資産の保全も求められ、法定通貨と仮想資産のいずれも自社の資産から明確に分離して管理することが義務づけられました。
こうした分別管理に加え、顧客資産の流用や担保への差し入れを伴う再担保(リハイポセケーション)も原則として禁止され、顧客本人から書面による同意を得た場合に限って例外が認められています。
ステーブルコインなど法定通貨に価値を連動させるトークンについては発行者にも資産保全を求め、発行残高の100%相当を高品質流動資産(HQLA)などで裏付けたうえで、額面で即時償還できる体制を整えることとしています。
資金洗浄対策とサイバー防御
資金洗浄やテロ資金供与への対策では、FATF(金融活動作業部会)の勧告に沿ったトラベルルールを導入し、一定額以上の送金では送金人と受取人の情報をやり取りする義務を課しています。
事業者のシステムについては、取締役会が承認したサイバーセキュリティ方針を少なくとも年1回見直すとともに、脆弱性評価や侵入テスト(疑似攻撃による点検)を定期的に実施することが求められています。
暗号鍵やウォレットを安全に管理する体制の構築も事業者に義務づけられ、重大な障害や侵害が発生した場合には当局へ速やかに報告する義務が定められました。
仮想通貨の個人取引を正式承認
制限路線から転換、海外事業者も呼び込み
パキスタン政府はこれまで、仮想通貨が国内で合法と認められることはないとの立場をとっていましたが、近年は規制を設けたうえで関連産業を受け入れる方向へと軸足を移しています。
こうした政策転換を進めるなか、PVARAのビラル・ビン・サキブ議長は規則の公布に合わせて申請の受け付け開始を表明し、海外事業者にもパキスタンでの免許取得と事業展開を呼びかけました。
海外大手を受け入れる動きは規則の公布前から始まっており、PVARAは2025年12月にBinance(バイナンス)とHTXにNOCを発行し、両社は国内法人の設立と正式な免許申請に向けた準備を進めています。
新たな規則ではFATF基準への適合も求められており、海外事業者についてもPVARAの審査を経て正式な免許を取得することで、パキスタン国内で事業を展開できる枠組みが設けられています。
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Source:PVARA官報公布 / PVARA公式サイト
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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